(台北中央社)中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、台湾ではマスクが品薄状態となっている。行政機関や業者は、春節に伴う連休が明ける30日以降、品薄は解消されるとの見方を示している。


台湾では21日、初の感染者が確認された。蘇貞昌行政院長(首相)は24日、マスクの輸出を1カ月間停止すると発表。国内のマスクの数は足りると強調していた。だが、連休に入ってから感染者は徐々に増え、これに伴いマスクの需要も増加。7人目の感染者が確認された28日午後の会見で、経済部(経済省)商業司の陳秘順副司長は、把握している限りでは、国内のコンビニの在庫は残り1日分との見解を示した。

この状況に対処するため、衛生福利部(保健省)疾病管制署は28日から3日間、1日当たり600万枚をコンビニ各社に供給すると発表。
価格は1枚8台湾元(約29円)とし、購入数も1人3枚までに制限。連休が明けるまでの不足状態をしのぐ措置だと説明し、余分に買わないよう人々に理解を求めた。

中央社の取材に応じた経済部幹部によれば、一部の業者が協力に応じ、27日から29日までの生産量は約93万枚に増加される。連休明けの30日以降、1日当たりの生産量は約390万枚に達する見通しだという。

政府は、利用者が多い駅や医療機関周辺の店舗へ優先的にマスクを供給する方針。同幹部は、価格の安定にも努めるとし、値段のつり上げや不当な買い占めなどをした業者には法にのっとって処罰する姿勢を示した。


(潘姿羽、蔡ホウ敏、張茗喧、郭建伸/編集:楊千慧)