今月9日に、自身12枚目のシングル「Promise」(ユニバーサルミュージック)をリリースした声優の平野綾(26)。発売1週間となる16日、オリコンチャートの同シングルの初週売上が1,471枚、ランキングも36位に留まったことが明らかになった。
発売前はあまり話題にならなかった同シングルだが、オリコンチャートの順位が発表されると、インターネット上の掲示板などには「あーや終わったな」といったような声が多数寄せられた。そんな声を受けてか、平野はブログで
「順位とか枚数で何か言う人もいるみたいですが、今でも充分凄いことだと思うんです。これが今の私です。負け惜しみとかではなく、手にして聞いてくださった方に感謝が伝わればそれで良いので」(原文ママ)
と心情を吐露。予防線を張ったつもりかわからないが、「負け惜しみ」という言葉を使うことにより、1,471枚という売上が「負け」であることを暗に認める形となった。
平野の歌手活動といえば、2006年に主役を演じたアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』(東京MXなど)の主題歌「冒険でしょでしょ?」(ランティス)が、当時のアニメソングとしては異例の初週1万枚オーバーというヒット作になった。
そんな平野の「アイドル声優」としての順調な活動に水を差したのが、2010年に『グータンヌーボ』(フジテレビ系)で見せた「恋バナ騒動」だ。過去の恋愛について話したことによって、“処女”に特別な感情を抱くアニメファン層からは総スカンをくらうハメに。平野のCDやDVDを真っぷたつに割った画像がネットに投稿されたり、Wikipediaの彼女の項目に「殺害予告」が書き込まれるなど、ひどい「手のひら返し」に遭うこととなった。
かつて彼女のファンだったという男性は、当時を振り返りこう話す。
「写真集も全部持っていたし、同じCDを何枚も買うなどして応援していましたが、あの騒動でスッパリと止めました。
『グータンヌーボ』を乗り越えたファンたちも、その後に起こった「ニャンニャン写真」の流出騒動や、複数のバックバンドメンバーと恋愛関係にあったとの証言が明らかになるたび、彼女のもとを離れていった。
そんなことも関係してか、最盛期と比べるとアニメへの声の出演は減少。結果的に後進のアイドル声優たちに道を譲ることとなった平野だが、その後は声優としての知名度も活かしてマルチタレントに転身し、ある程度の成功を収めている。バラエティだけでなく、かねてから望んでいたミュージカルへの出演も果たしており、またドキュメンタリー番組のナレーションなどで彼女の声を聴く機会もある。
「平野綾といえば、ソーシャルゲーム『アヴァロンの騎士』のテレビコマーシャルに女戦士として出演しています。地上波のゴールデンでも頻繁に流れるコマーシャルですし、景気のいいソーシャルゲームの仕事なので、1,000万円クラスのギャラが出ているはずですよ。アニメ声優のギャラは売れっ子を除けば1話で2万円前後が相場だと言われてますし、いくらCDが売れないといっても、今のほうが儲かっているでしょうね」(芸能誌記者)
『涼宮ハルヒの憂鬱』でブレイクした当時と比べると、CDやライブDVDはメッキリ売れなくなってしまった平野綾。とはいえ、アニメ声優時代よりも、広く浅く視聴者に受け入れられている現在の活動のほうが実入りがいいようだ。
「殺害予告」を書き込むような偏執狂的なファンとは決別し、やりたい仕事をやり、なおかつ前より稼いでいる…。
(文=是枝 純)