同番組は、あらゆる“激レア”な体験をした人をスタジオに招き、その体験談を紐解くことで、笑いと新たな価値観を得ることができるトークバラエティとして人気を博している。今回のゲストは、プリントシール画像「チャリで来た。」に写る4人のうちの1人、ユウタさん。あれから10年の歳月が流れ、幼かった少年はイケメンへと成長。
今回取り上げられた「チャリで来た。」とは、いかにもヤンキーに憧れていそうな髪の色やファッションをした中学一年生4人が、気合の入ったポーズで写るプリントシール画像。そこに“チャリで来た。”という幼い文字を添えていたことや、やんちゃな風貌が一部ネットで話題となり、人気を集めた。それがネットを通じて拡散。またたく間に全国区で知られるようになった。
同番組で、その“伝説のプリントシール画像”が撮られたいきさつが明かされた。当時は、4人全員が野球クラブに所属する中学一年生(うち2人は別の中学)。やんちゃな若者に人気のファッションブランド“ガルフィー”を購入するために、地元の横浜港南区から横浜市内へと自転車で移動した。しかし、中学生にガルフィーは高価すぎて手が出なかった。その憂さ晴らしのためにゲームセンターへとおもむき、「チャリで来た。」のプリントシール画像を撮るに至ったという。
4人の思い出で済むはずだった画像が、なぜ全国へと拡散してしまったのか。
さらには画像を加工して、文字をアレンジした「ソリで来た。」「バリに来た。」「春が来た。」といったパロディ画像がみるみる増幅していったとのこと。その影響は予期せぬところにまで及び、この画像を使用して何者かがネット上でなりすまし、横浜で名の知れたヤンキーをあおって、寝耳に水の本人が呼び出されたり、「バカ画像」という雑誌に勝手にプリントシール画像を掲載されたり、リンチ事件の犯人という濡れ衣まで着せられたりしたという悲劇の数々も、同番組で語られた。
たった一枚のプリントシール画像が全国区となった背景には、当時のネット状況が良い意味でも悪い意味でも緩かったことがあるだろう。10年前というと、スマートフォンではなく、ガラケーが主流であり、「2ちゃんねる」が全盛の時代。
こういった要素が重なり、「チャリで来た。」の画像は拡散・転載されていった。ただし、同番組でも紹介されているが、GLAYのライブで東京ドームの巨大ビジョンにパロディ画像が使用されたり、ラッパー・SLOTHが「チャリで来た。」のイメージソングを制作したりという、思いがけない大きな展開になったことは、本人たちも喜んでいたようだ。
ここ数年、SNS上で不謹慎な画像やLINEの流出が問題視されているのを見ると、今ではあり得ない状況と言える。しかし、「チャリで来た。」の画像が悪い意味で社会問題化しなかった最も大きな要因は、中学一年生の純朴な想いにかわいらしさがあったことと、さまざまな被害があったにもかかわらず、立派に成長した彼らの心の広さにあるのではないだろうか。
同番組に出演していた松岡茉優は、ユウタさんと同世代。「世代のヒーローです!」と、学生当時の有名人に出会えたことに感激していた。8日に告知用動画として更新された番組公式Twitterは、前回に比べて倍ほどのリツイートを記録しており、世間からもその注目度が高かったことがうかがえる。