新型コロナウイルス感染拡大防止のため一時休業命令が出ていたイギリス国内のパブが、7月4日から営業許可が下りた。この日に先駆けてウィリアム王子(38)は、滞在中のノーフォーク州にある地元のパブを訪問した。
王子はお気に入りのサイダー(シードル)を堪能しながら、経営者やスタッフと今後の運営について話し合った。

ノーフォーク州のアンマーホールに家族で滞在するウィリアム王子は英時間3日、自宅から10kmほど離れたスネティシャムにあるパブ「ローズ&クラウン」を訪れた。このパブは600年の歴史を持つ老舗である。

パブに入った王子は「最初の客かな?」と言い、経営者のアンソニー・グッドリッチさんと妻のジャネットさんに一時休業した3か月間をどのように過ごしたかを尋ねた。そして王子はサニタイザーで手を消毒した後、「サイダーを1パイント(約568ml)お願いします。僕はサイダー派なんだ」と伝え、4.15ポンド(約557円)の「アスポール・サフォーク・ドラフト・サイダー(Aspall Suffolk Draught Cyder)」とフライドポテトを一皿注文した。


「ローズ&クラウン」を経営して25年になるアンソニーさん夫妻だが、この日はヘッドシェフのフィリップさんとデューティー・マネージャーのルーシーさんも同席し、パブの庭にあるベンチに座って会話を交わした。ウィリアム王子は「どこで支払いをすればいいのか分からないけど、帰るまでには絶対に支払うから。約束するよ」と述べ、周囲を和ませたそうだ。

パブを一時閉鎖した3か月間、アンソニーさん夫妻は政府の支援金を受けて25人のスタッフへの支払いを行ったという。パブが3か月ぶりに営業再開することになり、ウィリアム王子は人々が密集することへの懸念を示した。

「地元住民がパブに押し寄せる結果になるかも知れないね。
人々は変化を待っていたし、自宅待機期間が長かったから。」
「この週末はお客さんが手に負えなくなるのでは、と心配ではありませんか? 僕はこういったことは、大手のチェーン店の方がもっと深刻な問題だと思いますけど。」

この問いに、アンソニーさんは「少しばかり心配ですが、準備はできています」と返している。

なおウィリアム王子一家は、「ローズ&クラウン」に何度か訪れたことがあるという。ジョージ王子(6)とシャーロット王女(5)、ルイ王子(2)が遊んだという庭のプレイエリアは、ソーシャルディスタンスを保つことが困難なため、閉鎖したままにするそうだ。

進入禁止のロープが張られた遊び場を見たウィリアム王子は、「子供達はプレイエリアで何回か遊びましたよ。彼らがあのロープを見たら、チャレンジのためだって思うかも」とジョーク交じりに話した。

その後、ウィリアム王子はサイダーとフライドポテトの料金をカードで支払ったという。
アンソニーさんは「パブの営業再開に向けて、我々の店を選んでくれたことを光栄に思います。とても気さくな方で、お会いできて本当に嬉しかった」と語っている。

画像は『Duke and Duchess of Cambridge 2020年7月3日付Instagram「As pubs and restaurants reopen around the UK this weekend, The Duke popped into the local pub in Norfolk to wish the staff well and hear how they have adapted their operations in order to allow them to return to a new normal.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)