世の中には、実は昆虫を食べる文化が数多く存在している。
アフリカや東南アジアでは動物性タンパク質を補うために好んで虫を食べる文化が存在するが、実はそんなに驚くことでもない。
日本には昔からイナゴのつくだ煮があるし、フランス料理にはエスカルゴがあるのだ。『虫を食べる人びと』(平凡社)の著者で、東京農業大学応用生物科学部教授の三橋淳氏によれば、21世紀の食料として「昆虫食」に期待が高まっているという興味深い話もある。

しかしながら、10月20日付けのTownsville Bulletinには、『オーストラリア・メディカル・ジャーナル』誌で先頃報告された、ナメクジを食べて死にかけた男性についての記事が掲載されている。シドニー在住の学生は友人とふざけ、裏庭にいたナメクジを20ドルをかけて口にしたところ、その5週間後に髄膜炎の症状が見られたというのだ。記事によれば、これまでにもカタツムリを食べて死亡した子供のケースや、ナメクジが混入したレタスを食べて死亡したという報告が何度もあるそうで、シドニー大学のウォーカー博士によると、この男性は回復に5ヶ月を要したという。

一緒にナメクジを食べた友人はすぐに吐き出したため、20ドルのかけには負けたものの大事には至らなかった。ナメクジを食べたこの男性も単なるおふざけが、まさかこんなにも深刻な結果を生み出すとは思いもよらなかったろう。たで食う虫も好き好き。昆虫を食べるのは人の好きずきだが、ナメクジを食べるのはやめておこう。
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