ハリネズミカメラって何だ?
(上)ティッシュと比べてもこんなに小さい。(下)フィルムを装填すればカメラらしい姿に。
一部の人々の間でとくに人気があるトイカメラをご存知だろうか? 代表的なものとして、ロシア製の“LOMO”や中国製の“HOLGA”というブランドがある。トイというだけあって、おもちゃのような感覚で楽しめるチープなカメラなのだけど、世界中のアーティストやクリエイターたちの間で使われており、熱狂的なファンが多いカメラだ。
見た目もオシャレなので、ずいぶん前から気になってはいたのだが、手にするまではいかなかった。

しかし、先日青山ブックセンターで思わず手にしたものが。それは“ハリネズミカメラ”という名の超小型トイカメラだった。ご覧のように、パッと見ただけでは、とてもカメラとは思えないほどの小ささ。3cm角のキューブ型で、その名通りキュートなハリネズミのイラストが描かれているのだが、ポケットティッシュと比べてみるとわかるように、本当に小さいっ!!
カメラのことはよくわからないのだけど、その可愛さに負けて即購入。

これに、70年代にかなり流行したという110(ワンテンと呼ぶらしい)フィルムを装填。
するとフィルムがカメラと一体化して、ようやくカメラらしい風貌になる。この110フィルムは巻き戻しのいらないタイプで、撮り終えたら現像に出せばよい。

写真の出来はというと、粒子が粗く、ピンぼけで色褪せた、いわゆるちょっと“いい感じ”の写りになる。懐かしい雰囲気を醸し出す感じ。ただし、説明書きにもあるのだが、「明るい晴れた日に撮影しましょう」を守らないと、なかなか上手くとれないかも。
でもハリネズミカメラの価格は945円、プラス110フィルムが500円くらいなので、少々クオリティに難があっても許せちゃうくらいのチープさ!

前述したHOLGAにも同じようなBaby Holgaという小型カメラがあるようだが、“ハリネズミカメラ”は何より見た目が可愛いし、キーホルダー付きなので持ち歩いて「これ、実はカメラなのよ」、な〜んて、見せびらかしたくなってしまうのでは?

デジカメはすぐに撮れて、いらないものは消去できて、現像も早くとっても便利だけど、ハリネズミカメラには、ちょっと手間をかけるのもたまにはいいかな、と思えるくらい愛らしい手作り感覚の魅力がある。
このハリネズミくんをみかけたら、きっと手にしないではいられないはず!(田辺 香)