さよなら日暮里駄菓子の街角
この風景もあとわずか。
JRもしくは京成の日暮里駅を下車。
東口からロータリーに降り、細い路地に入ってふと左側を向くと、一瞬で昭和30年代へとタイムスリップができるんです。
人がすれ違うのがやっとなくらい狭い路地の両側に、駄菓子屋問屋さんが軒を並べているのです。問屋さんですから、駄菓子のタバがどんどんどーんと積み上げられ、それはそれは壮観な姿です。
最近は、おしゃれなショッピングモールやコンビニでも駄菓子を買うことができるようになりました。それはそれで楽しく美味しい21世紀の姿ですが、やはり古びた木造の店先で、お店のおじさんやおばさんと会話しながら買うというのが駄菓子の醍醐味のような気もします。
それができる町、でした。点取り占いをまとめ買いしたり、ベーゴマのまわし方をおじさんに教わったり、型抜きのレトロな箱にしみじみ感動したり。

あの味わいには、そこに生活するお店の人々のぬくもりと、昭和を潜り抜けた建物の風合いが、大きく貢献をしていました。

ところが、ついに、あの町並みが無くなるという噂を聞いてしまいました。
新交通が日暮里駅に乗り入れることになり、そのための駅前再開発事業が始まり、この駄菓子問屋の町並みも、取り壊されてしまうことになったのです。
駄菓子屋さんそのものは、2軒を除いて新しいビルに入るそうですので、ちょっと安心。ですが、この古びた町並みを味わえるのは、今年の夏が最後のチャンスです。
お店のおじさんに聞いたところ、9月の中ごろまではこのまま続けられるんじゃないかな、とのことです。
流動的ではありますが、まだ、もう少しダイジョウブ。

さあ! 少しばかりのお金を握り締めて、懐かしいあんなお菓子、こんなお菓子を買いに行こう。ついつい欲張っていろいろ買っちゃうけど、単価が安いからね。
私はベーゴマを回せるようにもっと練習して、成果をおじさんにまた見せに行きたいなと思っております。(谷和原のぞみ@お気楽ステーション)