アメリカに砂糖を食べて動くロボットがあるのをご存知だろうか。
そのロボットの名前は「チュウチュウ」。
12個のタイヤがついている尺取虫のような、あるいは汽車のような形をしている。

このロボットを作ったのは南フロリダ大学で機械工学を教えるスチュワート・ウィルキンソン教授。見た目はただのおもちゃのようで「なーんだ」とバカにされそうだけれど、その仕組みはすごい。

ロボット内部の金属製の胃は微生物を利用した燃料電池で電池内のバクテリアが酵素を使って炭水化物を分解。分解された過程で放出された電子を利用して燃料電池に充電するのだそうだ。ちょっと難しいがとにかく「ほぉー」とうなってしまう凄さだ。

何でもこの微生物を利用した燃料電池というのは新しい技術ではなく70年も前に開発されていたということだが、これをロボットに応用したのがウィルキンソン教授で世界初の試みなのだそうだ。現段階では自分からエネルギーのもととなる砂糖を食べることができないので「チュウチュウ」の口(?)に角砂糖を入れあげなければならないそうだ。

何だかペットにエサをあげているようで何ともおちゃめ。食べるということは……排泄も? と気になるところだが、「チュウチュウ」は固形の老廃物は一切出さないとのこと。「チュウチュウ」のように食べ物をエネルギーにするロボットは「ガストロロボット」(胃腸内蔵型ロボット)とカテゴライズされている。応用例として自分で刈り取った草を食べて動く草刈機ロボットなどが考案されているそうだ。
まだまだ実用段階にはいたっていないが何とも夢のある研究である。(こや)
編集部おすすめ