受験生の食欲の秋に、マボロシの「合格次郎柿」
これが五角(ゴカク)・・・ではなく合格次郎柿
ようやく暑さも和らぎ、「食欲の秋」到来。さて、数ある秋の味覚の中でマボロシといわれる「合格次郎柿」をご存知だろうか。
え? 「落ちないりんご」の柿バージョン? などとカン違いしてはいけない。この柿、何と五角形なのである。

ふつうの次郎柿は四角形だが、ごくまれに五角形をした果実を結実させるのだそうだ。そのゴカクを合格にひっかけて『合格次郎柿』と名づけたそう。

売り出したのは次郎柿の生産量日本一という愛知県のJA豊橋。この見事な五角形は自然が作り出した神秘の形で一切の人間の手は加えられていない。あまりに数が少ないため市場に流通することはなく、「幻の次郎柿」とも言われている。

年間約4000トンから4500トン(約2000万個)収穫されているうち500個しか五角形の柿は出現しないのである。なんと4万分の1という確率。4万分の1……何だかどんな難関校にも受かりそうな印象である。

そもそも次郎柿は今から120年ほど前に静岡県の松本治郎さんが偶然見つけたという突然変異から生まれたもの。大洪水で堤防に流れついた1本の柿の木の苗を拾って帰り、裏庭に植えたところ8年後に実を結んだがその形が四角張っていたというのだ。
食べてみると実は堅く水分が豊富で甘味も最高。以来、町の人が次郎柿と呼んで繁殖させ広まっていったそうだ。

豊橋で栽培されるようになったのは大正元年(1913年)からで今年は最初に結実してから90周年という記念の年でもある。次郎柿がなぜ四角形なのかは正確にはよくわかっていないということもあり柿がなぜ五角形になるのかも不明らしい。偶然から生まれた四角形からまたもや生まれたという偶然の五角形の柿。そしてお値段は1個509(ゴ・オ・カク)円と嬉しい心遣い。

「合格次郎柿」は先着500個限定品ということなので、数に達し次第受付終了。出荷予定は10月下旬から11月中旬だそう。(こや)
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