100周年の三越、包装紙にはあの人も関わっていた
これがやなせさんによる包装紙の文字「mitsukoshi」
祝オープン100周年!

先頃、新館もできて、連日大賑わいの日本橋三越本店へ行ってみた。三越というと、お客さんの年齢層が高めというイメージがあったのだけど、出来たばかりの新館には、海外で話題のニューブランドを入れたり、ギャラリーで流行りのアーティストの展覧会をしたりと、かなり若者層を意識しているとの印象を受けた。
とはいえ、老若男女でごった返していたので、いずれにしても万々歳でしょう。

ところで三越といえば、濃いピンクで描かれた模様に白地の文字が入った包装紙、おわかりになるだろうか? 1950年にクリスマス用として登場して以来、ずっ〜と使われているものなのだが、石からインスピレーションを受けたデザインだそうで、これが猪熊弦一郎画伯によるデザインというのは、わりと知られている。ただ、この包装紙の中にある「mitsukoshi」というローマ字の筆記体を書いたのは別の人物。しかも、みなさんもよく知っている人なんだけど、これが意外と知られていないのではないだろうか?

あの文字を書いたのは、なんと、やなせたかし先生なのだ。そう、アンパンマンの作者として有名なやなせさん。

なにしろ彼が三越宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務していた頃に書いたものが、起用されたそうで。
当時はまだほとんど無名だったやなせさんだけど、その後のご活躍ぶりは周知のとおり。というわけで、今となればこの包装紙も、巨匠たちのコラボレーションとなってしまったわけなのだ。なんて、知ってからみてみると、ちょっと違うのでは?!

さすが、100年という長〜い歴史の中には、いろいろあるものですねぇ。(田辺 香)