
そんな歴史ある川越の街の一角に、“菓子屋横丁”という、昔ながらの駄菓子屋が集まった横丁がある。最盛期の昭和初期当時には、七十軒余りのお店が並んでいたというから、それは賑やかだったことだろう。現在は十数軒しか残っていないのだが、それぞれの店先にある「はなまるマーケットで紹介」の文字や、ホンジャマカの石ちゃん、氷川きよしなどが訪れたときの写真からだけでも、名所健在が伺える。
そして、なんといってもここは、さつまいも天国。どの店先にも川越名物のさつまいもを加工した駄菓子を中心に、懐かしい手造りの菓子が所狭しとおいてあって、あれもこれもとつい手が出てしまう。いもせんべいだけでも数種類に及ぶのだから、どれにしようか本気で迷うものだ。
なかには駄菓子だけでなく、“さつまいもラガー”という名のビールまで。いもといえば焼酎なので、ビールってのはどうなの?と思ったけど、お味は黒ビールのように濃厚で、甘味も強くとっても美味しい。気のせいかもしれないが、ほんのり、いもの香りもするような。さらに“焼きいもコーヒー”なんてのも。
先日、デートスポットとしての御徒町「二木の菓子」について紹介されていたが、この菓子屋横丁もデートにおすすめしたい。紫いものソフトクリームを食べながら、おさつチップスをつまみ、さらにさつまいもラガーで乾杯! ……なーんて、それはちょっといきすぎか?
とにかく、菓子屋横丁のような古い文化はいつまでも残ってほしいもの。みなさんもぜひ、菓子屋横丁でさつまいも三昧してみてはいかが?!(田辺 香)