「コスプレキューピー」はどこまで行くのか
(上)「さがけん」とだけ書いてある。(中)「NOVAうさぎ」と「ドラ&ドラミ」(下)なぜか思わず買ってしまった「ペー&パー子」
カエルの着ぐるみを着たキューピー、「うさ耳」のキューピー……。町を歩いていて、たまに見かける様々な変装をしたキューピー人形。
先日、とある店の軒先で「コスプレキューピー」として売られていた数々の人形を目にした私はそのバリエーションの豊富さに唖然とした。

「バカ殿」「ゲゲゲの鬼太郎」「ルパン三世」ぐらいまでは以前にどこかで見たことがあったような気がしたが、「ウルトラマンキューピー」や「スパイダーマンキューピー」、果ては「氣志団キューピー」「ベッカムキューピー」なるものまで!いつの間にこんなことに。この分では「ヨン様キューピー」の出現は時間の問題であろう。

そんな様々なキューピーを眺めているうちに、そもそもキューピーってなんだろう、という疑問にぶつかった。家にあった「広辞苑第四版(岩波書店)」をひいてみると

“キューピー「Kewpie」 オニール(Rose O’Neill)のキューピッドの絵を模したセルロイド製のおもちゃ。頭の先が尖り、目の大きい裸体の人形。
1910年代にアメリカで発売。”

とある。「キューピッド」から「キューピー」だったということすら初めて知った!

「キューピー公式サイト」によれば、キューピーの生みの親、「ローズ・オニール」は、1874年、アメリカ生まれの美しい女性天才アーティストで、1908年に豊かな自然からインスピレーションを受け、キューピーを生み出したとのこと。そのイラストが人気を博し、人形が売り出されると爆発的なブームに。アメリカでは「キューピー狂時代」とまで呼ばれていたそう。

と、まあそんなキューピーが今こうして「バカ殿」の格好をさせられたりしているわけなのだが、お店の方に「手作りなんですか?」と、うかがったところ、「いやー、どうなんでしょうね。
中国の方で作ってるみたいで…、あっちの方がコストが安いというのでね」とぼんやりした答え。とにかく、こうしている今も中国の方で続々と「コスプレキューピー」が生まれ続けているのは事実らしい。(スズキナオ)