立川駅に隠された? 特急のヘッドマーク展示場
それは先日バーバラが朝まで飲んだ日のこと。
立川駅構内で始発を待ちがなら、ふと天井を見上げると、「北斗星」「かいじ」などの見慣れたヘッドマークが天井に貼り付けられている。

「?」
探すと、他に何枚も有名特急のヘッドマークが天井に。
「???」
 
何を隠そうこのバーバラ、生まれこそ違え、この立川を第二の故郷と思って愛着を感じている。立川駅も小学生の時から利用しているにもかかわらず、まだ私の知らない立川駅のひみつがあったとは!

早速、これは聞かねばなるまい! とJR東日本八王子支社広報課に問い合わせてみた。
すると、先方からも「えっ、そんなものがあるんですか!」との返事。しめしめ、これはJRの中でも知られていないトリビアネタらしいぞ…とほくそ笑むバーバラ。

数日後、広報担当さんよりお返事をいただいた。
「いや、何年も前のことなので、調べるのに時間がかかりましたよ」とのこと。

まず、ヘッドマークの枚数だが、立川駅改札入って6・7番線に降りる階段のところの天井に、8種類貼り付けられている。
種類は、横長の「カシオペア」、正方形の「あずさ」「かいじ」「踊り子」「北斗星」「ばんえつ物語」、円形の「北斗星」「カシオペア」がある。

このヘッドマークはどういう経緯で取り付けられることになったのか?
それは、2000年の立川駅美化工事に端を発する。
 
立川駅の改札内を整理する際、これまで照明がついていたところを取り外し、他のものに付け替えた際、以前の照明の穴だけが残った。
穴をそのままにしておくのはみっともないし、かといって天井を工事するのには費用がかかる。
なにか穴をふさぐものが欲しい。

そこで、当時の立川駅の駅長が「宣伝も兼ねて、ヘッドマークであの穴をふさごう」と考え、電力を管理する部署と相談し、当時の人気特急や、中央線を走る特急のヘッドマークを貼り付けることにした。
 
それを受けて、当時、照明を管理していた電力区がLEDサインを作っている会社に依頼し、ヘッドマークのデータを基に、看板職人さんにヘッドマークを作ってもらった。いわゆる「レプリカ」というやつだ。レプリカのヘッドマークは厚さ3ミリのアルミのプレートで、天井に取り付けるにあたっては、ビスで留めたのだそう。これが、ことのあらましである。


駅員さんやお客さんの評判は、というと、やはり場所が場所なので、気づいているお客さんは少ないようだ。もちろん、駅員さんはその存在は知っているが、経緯まで知っている人はさすがに少ないようである。

この「立川駅ヘッドマークミニ展示場」、ぜひとも立川駅を訪れたなら、天井を見上げて欲しい。あんな特急、こんな特急のヘッドマークに出会えることだろう。(バーバラ・アスカ)