進化し続ける「都こんぶ」の現在
「黒酢こんぶ」の小箱とピローパック。
赤い小箱に桜の花びら、都印でお馴染みの、中野の「都こんぶ」。
先日、この仲間である「黒酢こんぶ」を見つけたときには、新鮮で、でもどこか懐かしくて、なんだか嬉しくなってしまった。
というのも、「都こんぶ」にこんな仲間がいたことを意外なことにあまり知らなかったのだ。

さっそく調べてみたところ、1977年には既に、おしゃぶり昆布として誕生した「おしゃぶり浜風」が発売されていた。「都こんぶ」に並ぶロングセラーなので、このあたりは既にファンも多いことだろう。さらに2001年には「梅おしゃぶり」が仲間入り。

そして、韓流ブームよりも前に発売されていたのが「キムチ味のおしゃぶり昆布」。こちらはブームにのって、さらなる売り上げ期待したそうだが、実際はそこまではいかなかったという。たしかに、韓流ブームだからといってキムチを食べるとは限らない……。 でも、目のつけどころが早いし、他の味と比べても、おやつというよりビールのおつまみに一番合いそうで、大人には嬉しい限り。その後、和風だしとコチュジャンでバランスよく味をととのえた「和風キムチ味おしゃぶり昆布」なども出ている。

ちなみに、これらのおしゃぶりシリーズは「都こんぶ」のように柔らかいものではなく、噛めば噛むほど味が出るタイプで、また違った人気を集めている様子。

さらに、健康指向の強くなった昨今に生まれた商品が「黒酢こんぶ」だった。これは、ダイエットや健康に気をつかう女性には特に嬉しいはず!

どれも爆発的な勢いで売れるというものではなく、「都こんぶ」同様、じわじわと浸透していき、徐々に定番化していくという。
たしかに、「都こんぶ」だって、“気づけば、いつのまにかそばにいた”という存在。そして、どんどんクセになっていく。

さて、6月初めには「黒酢こんぶ」のピローパック(小さく切って小分けし、袋詰めしたもの)が新発売になったばかり。「都こんぶ」というと、どうしても小箱のイメージが強かったのだけど、持ち運びに便利なうえ、分けやすいのも魅力で、実はこのピローパックもかなりの人気だとか。現在、こうしたピローパックも入れると、商品のラインナップは10種類以上にものぼるという。

時代を超えて、変わらず愛され続ける「都こんぶ」と、時代のニーズに応えて誕生し続ける、その仲間たち。これからもずっと身近な存在として、注目していきたい。(田辺 香)
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