知られざるボディビルディングの世界
夏休みに向け、「今年は海やプールへいくぞ!」と計画中の人も多いのでは? そこで気になるのが、日ごろの暴飲暴食でたるみきったカラダ。よく、青年マンガ誌の巻末に夏の海で筋肉ムキムキになって、女の子にモテモテ……という広告が載っていたりしますが、そんな中途半端なモテたい心を軽く凌駕する(?)こんな雑誌があることをご存知だろうか。


表紙からしてすごい、『月刊ボディビルディング』!! 図書館の専門誌コーナーで発見したのだが、ページを開くとまったく未知の世界がそこに広がってた。主要な大会やコンテストのレポート記事を筆頭に、ボディビルダー同士の「ガチンコトレーニングバトル」、有名ボディビルダーによる連載「ナルシスな奴ら」、美女ビルダー入門「生理が止まるほど減量したい? オンナを捨てちゃいけません!」etc.

さらに、この雑誌を見て驚いたのはボディビルコンテストには平気で70歳以上の部とかがあって、顔はどう見てもおじいちゃんなのにカラダはムキムキ&パンパンといった方が珍しくもなさそうだったこと。ふつうのスポーツとは真逆をいくボディビルの世界、ちょっと興味あると思いません?

この雑誌を出している「体育とスポーツ出版社」に電話して聞いてみると、「月刊ボディビルディング」は昭和43年から発行している老舗雑誌とのこと(校了前の忙しい時期に電話してしまったにもかかわらず、親切で丁寧な対応が印象的でした!)。

とくにボディビル協会ではボディビルを「生涯スポーツ」としてPRしており、生きている限り筋肉というのは鍛えられるので、死なない限りは続けられるスポーツということなのだ。実際、定年後にはじめる人も珍しくはないそうで……。

とはいえ実際には30〜50代の働き盛りの人が中心らしいが、ウエイトトレーニングレベルではない本格的なボディビルになると、必ずしもカラダにいいといえない側面もでてくるそう。
なので、ボディビルダーの中では「本格派」と「あくまで健康づくりのため派」の2極分化がすすんでいるのだとか。

この「本格派」の中には忙しい仕事の合間をぬってトレーニングにはげみ、少ないおこづかいの中からサプリメントを服用し日サロに通うなど涙ぐましい努力をしている人もいるそうだ。そんなにタイヘンな思いまでしてなぜ、筋肉をつけるのか?

それは、編集部の方にも簡単には説明できない「ふしぎな世界」なのだという…。しかも、他のスポーツと違いコンテストで優勝したからといってお金が入ってくるといったこともないそうだ。ある意味、自分自身の肉体への挑戦ともいえるボディビルの世界、そこにはやった者でないとわからないエクストリームな魅惑があるのかもしれませんね!?(野崎泉)