地震時のジェットコースター
東京ドームシティの人気アトラクション『センターレス大観覧車(ビッグ・オー)』
最近になって日本各地で地震が頻発している。遊園地でジェットコースターに乗っていて、今から地上めがけて急降下!!! というとき、「今地震が発生したらどうなるのだろう……」という単純な疑問が生まれた。
おかげで私の絶叫はいつもより音量高めに設定されたのは言うまでもない……。

電気・水道・ガスなどのライフライン機関の防災対策は案外知られているが、エンターテイメント関係の防災対策については知らないことが多い。エンターテイメントを安心して「楽しむ」ためにもその防災対策を知りたい! と思い、実際に聞いてみることにした。
私の大好きな遊園地の一つである、株式会社東京ドーム広報担当の鈴木さんにお話を聞くことができた。
「東京ドームシティ アトラクションズの人気アトラクションである『センターレス大観覧車(ビッグ・オー)』は関東大震災の規模を1とすると1.3倍の規模に耐えられる設計になっており、『ジェットコースター(サンダードルフィン)』では、関東大震災の1.5倍の規模に耐えられる設計になっている」
と、関東大震災を超える地震規模を想定しているとはさすがだ!!
また、「震度4以上の地震が起きれば、全てのアトラクションの運転を一時中止し、安全が確認された後、再開するようにしている」とのことだった。

……ということは?? ジェットコースターに乗っていて、重力に逆らった状態(逆さまの状態など)で震度4の地震が起きた時は運転を一時中止されて、まさか『宙吊り?』
運が悪かったと自分の運命を呪うしかないのですかぁー、アーメン? こんな質問にも鈴木さんは優しく答えてくれた。

「ジェットコースターは最初に最高部まで持ち上げて、そこから先は惰性で動く構造になっているため、途中で止まることは出来ません。緊急停止できるアトラクションは即座に中止しますが、緊急停止できないアトラクションは次の運転から中止します。そのため、走行中の揺れも考慮に入れて、レールが大地震でも耐えられるような設計になっているという訳です」
よかったぁー!! 最高です、鈴木さん!!

さらに「東京ドームシティ全体で総合防災訓練を行っており、火災や停電、緊急停止などについても対応できるようにしている」と防災に対して本気で取り組まれているということが伝わってきた。

私をはじめ多くの人は、災害が発生するなどの事態を考えたくないし、最悪の事態にはならない、と自分に都合のいいように考えがちだ。特にエンターテイメントを楽しんでいる場では災害などは到底想像しない。仕事も忘れたい場であるからだ。
しかしそんな楽しい場であるからこそ地震が起きたらどうなるのかをリアルに想像し、それに対して対策をとることではじめてエンターテイメントを安心して「 楽しむ 」ことができると痛感した。
(SKYLINE)