ブームの火付け役? 「昼寝屋 一休」実態調査
(上)個室はこんな感じ。(下)店長の井上さんです。時間がきたら、彼がやさし〜く(?)起こしにきてくれます。
会社員だった頃、「ああ、会社に仮眠室があれば……」と夢みたことが何度もあった。とくに前日、朝方まで飲んでしまい宿酔でそのまま出勤した日。
また、昼ごはんを食べた後デスクに座ったまま1〜2分、しばし昏睡状態に陥るという人も私だけではあるまい。
そんな時、「たとえ1時間でもいい、仮眠できたら残業でもなんでもがんばれるのに!!」と思ったことはないだろうか。

ところがそんなサラリーマンの心の叫びを現実のものにした、『昼寝屋 一休』というお店が大阪・JR天満駅前にオープンしていました。看板には「ビジネスはチャージが勝負! 目覚めろ! モチベーション!!」とあり、横に一休さんらしきかわいい小僧さんのキャラが描いてある。「あわてない、あわてない、ひと休み、ひと休み……」となつかしのキメゼリフをつぶやきながら階段でビルの3階へ。

入店すると、照明が落としてあり、そこはすっかり深夜のビジネスホテルの雰囲気。
おまけにドア越しに「ぐー」とか「すぴー」といった、いろんな人の寝息までが聞こえてくる。平日の夕方頃、取材にいったにもかかわらず、ほぼ満室の状態でびっくり。お休み中の方々の邪魔になっては悪いので、店長の井上さんと前代未聞の「ヒソヒソ声」での取材となりました。

この「昼寝屋一休」ができたのは、昨年12月とのことで、もともとマンガ喫茶やインターネットカフェなどの若い人向けの店に入りにくい40〜50代のミドルエイジをターゲットに開店したらしい。狙い通り、スーツ姿のまさに中間管理職といった方々がよく利用されているとのこと。私が受付付近で取材している間にも、昼寝を終えて出てきたお客さんと何人か遭遇したのだが、いずれも仕立てのよさそうなスーツをパリッと着こなした、課長か部長クラス以上にはなっていそうな方々でした。

お値段は足ツボマッサージつきで1時間700円から。ベッドの個室が4部屋、リラクゼーションチェアが3部屋あって、どちらももちろん雑魚寝ではなくプライベートが守られるようになっている。1度来て昼寝の心地よさにハマってしまうリピーターも多いとのことで、「いや〜ここがあって助かったよ〜」と皆さんたいへん喜んでいるとのこと。
時間がきたら、井上さんが起こしにきてくれるそうなのだが、中にはぐっすり眠ってしまってなかなか起きない人もいるとのことで……。利用時間は基本1時間、最長2時間まで(それ以上になると、夜の睡眠の妨げになるとの配慮から)。しかし、徹夜明けなどの事情を最初に話しておけば、6時間などの長時間睡眠も可能とのことでした。


実際、NASA(米航空宇宙局)の研究などで「45分の昼寝で仕事の効率35%UP」という研究データも出ているらしいし、大企業で「昼寝」を積極的に取り入れようとしているところもあるとか。
近い将来、「お昼いってきまーす」くらいのノリで「昼寝いってきまーす」が会社でフツーになる日も近いのかもしれませんね!?
(野崎 泉)