ガムかんで口の中が真っ青、真っ赤、ポカポカ
左が「赤/黒」ミックスで食べた状態、右が「青」を食べた状態の舌です。尋常じゃない感じ、伝わりますでしょうか?
駄菓子屋で見つけたガムに、グッときた。
「赤ベ〜黒ベ〜ガム」「青ベ〜緑ベ〜ガム」と書いてあるその2種のお菓子。


どんなガムかといえばこれ、「な〜んとッ口の中が赤になるガム」「お〜っとッ口の中が黒になるガム」(ともにコーラ味)と、「な〜んとッ口の中が青になるガム」「お〜っとッ口の中が緑になるガム」(ともにソーダ味)と銘打たれた長さ10センチほどのバータイプのガムが2本入っていて、これを食べるとそれぞれ舌がその色に染まってしまうと。価格は30円。氷いちごを食べたときになる真っ赤な舌、あんな感じの状態を楽しむためのガムなのだ。

息がさわやかになったり、美白や眠気覚ましなど、ガムにもいろんな効果があるが、これは口の中に色がつくだけ。このヘルシー志向、ナチュラル志向の真逆を歩むような、ある意味パンキッシュなガムだ。
パッケージにも、「このガムをかんでみんなをおどろかそう!!」と書いてあるし。


なにはともあれ、とにかく噛んでみた。まず「赤」を。……氷いちごの比じゃないくらい、真紅に染められたオレの舌。今からどこかの“奇祭”に参加するのかオレは、みたいな感じでもある。
「黒」「青」「緑」と次々食べ比べ、舌がどんなえらいことになるのか確認してみたが、オレ的にはやはり「青」。人間の身体の色としてはありえない色の、“ド”ブルーに身体の一部=舌が染まります。


さて、製造元である駄菓子界の重鎮、「フィリックスガム」や「マーブルガム」でおなじみのマルカワに、なんでこんなもんを? と聞いてみた。
「やはり、面白いからです。インパクトを追求して出来た商品ですね」
分かりやすい回答だった。
しかし実はこのガム、単なるインパクト狙いの一発屋的商品ではなく、「赤/黒」が96年、「青/緑」が97年発売というロングセラー商品。かなりのベテランガムだったことが判明した。
じゃあ、オレが知らなかっただけで、「子どものころ食ったことあるよ」「まだ売ってたんだ、懐かし〜!」という人も結構いらっしゃるわけだ。

さらに、印象はケミカルな感じだが、食用の着色料を使用しているので、もちろん人体には何の影響もない。

もうひとつ、そんなマルカワがお届けする今秋の新商品が、「ほっとミカンガム」。こちらは口の中が染まるのではなく、「温かく感じる」ガム。
これも同じように2本入りバーガム。なんでも唐辛子配合で、かんでいるうちに口の中がポッカポカ、というもの。ビタミンCも入ってる。

さすがにこれで寒さをしのげるほどではないが、確かに口の中がちょっとピリっとする。

味やにおい以外にも、「色」や「温度」というガムの可能性もあったのか。やるなあ、マルカワ。
(太田サトル)