冬期限定チョコレート菓子が多いわけ
(上)「きのこの山」の新バージョン。従来品より大きめ。(下)日本初冬期限定チョコレート菓子「Meltykiss」の今年バージョンのひとつ。
Bitで話題となった「『きのこの山』と『たけのこの里』はどっちが売れているのか」。近頃、コンビニで「きのこの山」の冬期限定新バージョンを発見。
「くちどけジャンドゥーヤ」のサブタイトルが付くこの新製品、きのこに雪が積もったさまをかたどった色合いで、秋から冬への季節の移り変わりを感じさせる。

さて、「きのこの山」の隣に目を移すと、そこには「ホワイト雪アポロ」と「冬のパイの実」が。共通しているのは、いずれも冬期限定、そしてチョコレート菓子であること。冬期限定のチョコレート菓子って多いのかな、と思いながらスーパーマーケットに移動してみると、果たしてそこには9種類もの冬期限定チョコレート菓子が。冬と言えばチョコレート、これは常識なのか。

友人数名に「冬のお菓子と言えば何?」と問うたところ、皆「うーん」と考え込む様子。
「肉まん」と答えた女性も。気持ちは分かるが肉まんはお菓子でなし。バレンタインを別にすれば、冬とチョコレート、特に関係はないように思うのだが……。明治製菓(株)IR広報室の中村さんによると、実際、冬はチョコレートがよく売れるそうで、夏と比べ2倍以上になる時期もあるとか。私達は冬、あまり意識せずにたくさんのチョコを買っているということ。どうやら「冬と言えばチョコレート」というのは真実。
アイスクリームや冷たいゼリーに目が行かなくなるから、ということかな。

ところで、冬期限定チョコレート菓子が生まれたいきさつは、意外なものだった。
「93年に明治製菓が発売した『Meltykiss』が、冬期限定をうたった初めての商品です。実は当時、冬期限定のビールがはやっていまして……チョコレートもよく売れる冬を狙ってみました。その後、他社さんも商品の差別化を狙って追随されたようです」
なんと、チョコとは最も相性の悪そうな、ビールが発想の源だったとは。ちょっと驚き。


冬期限定チョコレート菓子には、滑らかで高品質の「くちどけチョコ」が多いのが特徴。普通のチョコより融点が5℃程度低く、口に入れるとすっと溶ける。23℃以下での保管が必要で、夏は物流過程などで溶けてしまうおそれがあって、冬にしか楽しめないのだそうだ。

中村さんによると、最近のチョコの流行は「ノワール」「チョコレート効果」といった商品に代表される「高カカオ」。甘すぎず高級感がありオフィスでも食べやすい。筆者のような酒飲み男性にも、OKな感じです。

(R&S)