自宅で育てる春「うど畑(うどばた)会議」とは
(上)塩ビをかぶせて…一ヶ月待てば…(下)ジャーン! ちょっとシュール?
以前もコネタで紹介したユニークな植物を扱っている日光種苗さんから、春が待ち遠しい方におすすめの面白い新商品がまたまた販売された。構想5年というこの新商品は、その名も「うど畑(うどばた)会議」。
自宅で手軽に春の味覚「ウド」を育てられる栽培セットなのである。

ウドは、山地に自生していて、茎の高さ約2メ-トルにもなるウコギ科の多年草。スーパーなどで売られているウドは、太陽の光を遮って栽培された軟白ウドで、「うど畑(うどばた)会議」も同じように遮光栽培で育てる。セットには、ウドの鉢と太陽の光を遮る塩ビのパイプ、もみがらの3つが入っている。この塩ビのパイプが、いかにも栽培セット感があり、個人的には非常にそそられます。

気になるネーミングについては以下、日光種苗さんのHPページの商品紹介文が全てを物語ってくれる。
 奥様A:「うど」って美味しいけど高いのよねぇ〜。
 奥様B:そうね、ほかの野菜のように自分で作れないのかしら……
 そんな井戸端会議を小耳にはさんだ社員が一人……構想5年の時を超え完成しました。

またしてもダジャレ。そして数ある山菜の中で、ウドをチョイスするとはシブ過ぎます。「うど畑(どばた)会議」を企画した日光種苗の小川さんにさっそく話を聞いてみた。
「実は毎年、ウドが出回る時期になると、ウドを育てられないものか、と考えていたんです。
今までホームセンターさんのみに商品を卸していたんですが、販売するにあたって色々制約があって商品化が難しかったんです。ホームセンターなどでは、売り場に芽の出ていない商品があるとお客さんは不安に思うんですね。ちゃんと育つのかしら、とか。でもだからといって、ウドの場合、芽が出たものではあっという間に大きく育ってしまうんで、商品にならないんです。でもネット販売ならちょうどいいタイミングで出荷できますし、きちんと解説もつけられるんで、今回販売することにしたんです」
構想5年とは、どうやら販売方法が確立されるまでの5年でもあったようだ。

他にも、
「塩ビのパイプは40センチです。長くしようと思えば1mにもできますが、スーパーで売られているウドの長さを測ってそれを参考に40センチにしたんです。実は、塩ビのパイプはもっと子ども受けするようなパッケージも考えたんですが、どうせ商品もダジャレだし、ウドの時期もあって時間もないし、出しちゃえ〜ってことで、今回塩ビでいくことにしたんですよ」
とのエピソードも教えてくれた。

「うど畑(うどばた)会議」は、他の園芸植物と違って見る楽しみよりは育てる楽しみの方が大きいようだ。
育てている場所にもよるが、約一ヶ月で収穫ができるのだそうで、収穫の目安は、もみがらの上に芽が出てきた時とのこと。それまではひたすら塩ビの筒を眺めつつ過ごさなければならない。でも、収穫時に塩ビパイプを取った時の感動はきっと他の植物栽培では味わえない喜びなのではないだろうか。


小川さんの「うど畑(うどばた)会議」の栽培シミュレーションによると、収穫した後は大きめのプランターや畑に植え替えて新たに出てくる芽を5〜10センチのところで切って山ウドとして食べることができるのだそう。その後は、2メートルくらいにぐんぐん成長していくのだそうだ。ウドは多年草なので、冬になると葉や茎が枯れるが、翌年にはまた芽を出すので、塩ビパイプを使えば再び軟白ウドを楽しむことができるのだそうだ。「うど畑(うどばた)会議」は2月一杯まで発売。(こや)
編集部おすすめ