思わずウットリ、アートな折り紙
(上)大正モダン風セミ。1枚の折り紙で、2パターンのセミができます (下)最新作のパズル折り紙キット。折り紙がいろんな顔に七変化!!
最近、Bitで「千羽鶴がネットで買える!?」という記事が物議を醸していましたが、そんな折り紙に興味がない&できれば折りたくないと思っている大人達をも魅了するこんな折り紙を見つけました。

このキットは、「cochae(コチャエ)」という折り紙アートユニットがプロデュースする商品で、現在全国の東急ハンズなどで発売中。
人の顔をプリントしたアバンギャルドな感じのものから、大正モダン風の福助やかぶとなどオブジェとして飾っておきたくなるような美しいものまで、その完成度の高さには思わずウットリ。画像は私が折ってみたセミですが、これがぜ〜んぶ一切ハサミを使わずに1枚の紙からできるって信じられます?
ふつう、折り紙といえば無地が定番だが、cochaeの折り紙は紙そのものをデザインしており、折り上がった完成型との相乗効果で視覚的なおもしろさや楽しさが味わえるのが特徴。

現在、TVや雑誌、広告、ワークショップなどでひっぱりだこの彼らだが、そもそもどうしてまた折り紙に目をつけたのだろうか。
疑問に思った私は、cochaeのメンバーの1人でグラフィック担当の武田美貴さんに直接お話を聞いてみることに。
「cochaeは2003年、岡山で結成しました。私の他にディレクション担当の軸原ヨウスケ、難しい折り方担当の光森康郎の3人がメンバーです。ちなみに“cochae(コチャエ)”とは、岡山の民謡「こちゃえ節」からとった言葉なんです。天保時代に流行した俗語で「こっちはいいぞ〜」などの意味を持つお囃子言葉なんですよ」とのこと。

結成のきっかけは、高校時代から折り紙好きだった光森さんの折り紙を軸原さんが見て「おもしろいけど、こりゃいずれ廃れていくだろうな……」と思ったことにはじまるという。その後、グラフィック担当の武田さんが加わり、「折り紙をもっとPOPに!」というテーマを挙げ2004年から本格的に活動スタート。

「難しい折り方を競う、いわゆるマニアックな折り紙ではなく、折り紙にふれる機会が少ない若い人にも折り紙のおもしろさ、可能性を実感してもらえれば」と、武田さん。
私が実際に折ってみて実感したことは、たった1枚の正方形の紙が様々な動物や花、あらゆるモノに立体的に変化していくって実はスゴイことなんじゃない? ということ。
折り紙は、実は日本が誇る優雅で繊細なスゴカルチャーなのかもしれませんね〜。

東急ハンズなどで販売されているcochaeの折り紙キットは、レターペーパーとしても使えるので友人へ送ってみたり、海外へのエアメールに添えたりしても喜ばれるかも。ホームページからDL可能の折り紙もあるので、あなたも1度ぜひめくるめくcochaeワールドを体験してみてはいかが。(野崎 泉)
編集部おすすめ