千羽鶴がネットで買える!?
今や千羽鶴が買えてしまう時代。まさにニッチなサービスです。
お見舞いや幸運を祈る時など、様々な状況で願いを込めて贈られる千羽鶴。心を込めてひとつひとつの鶴を折る事に意義があるはずの千羽鶴だが、なんとネットで販売している会社があるそう。
今や、ほとんどのモノがネットで手に入る世の中だが、まさか千羽鶴まで買えるとは……? 驚きと興味を胸に、販売している(有)アイエスカンパニーさんにお話を伺ってみました。

こちらで販売している千羽鶴は「990羽セット」と「完成品セット」の二種類。「990羽セット」は、残り10羽を自分で折り、さらに自分で糸で紡ぐ作業を行います。対して「完成品セット」は、そのまんま渡すだけの完成品。お値段は「990羽セット」が12600円〜31500円。「完成品セット」が18900円〜37800円。
それぞれ鶴のサイズや金紙かによって値段が異なるそう。ちなみに千羽鶴を折っているのは内職さんです。

そもそもこの千羽鶴販売のきっかけを聞いてみると、そこには“なるほど”と思える考え方が……。それは贈られる人の気持ち。「嘘も方便」ではないが、贈られた人が千羽鶴をもらったことに喜び、それをきっかけにがんばってくれればいい。最初は、さすがに「千羽鶴を売るというのはいかがなものか」という懸念はあったそう。
確かに贈り手側の気持ちを重視した場合、自分で折っていない千羽鶴を渡すのは気がひける。しかし、その人の「千羽鶴を贈りたい」という気持ちに違いはなく、贈られ側が喜んでくれるのならば千羽鶴の役割は十分に果たされているである。

この千羽鶴販売の歴史は意外と古く、販売をはじめたのは2001年。発売当時はかなりの問い合わせがあったそうだが、現在では月に数件の問い合わせ・販売がある程度との事。今後は、千羽鶴という文化を外国人にも知ってもらえればとの事。

もし今後、千羽鶴を贈りたい時があれば「自分で折る」以外にも「買う」という選択肢があります。
そこに“思い”があるならば、どんな方法でもきっと気持ちは伝わるはず。贈られた側も「これ買っただろう」なんて言う人はまずいないでしょう。
(木南広明)