この季節になると毎年食べたくなるもの、それが桜餅だ。桜の葉で包まれた桜色の餅の中に餡が入っている和菓子。かわいらしい春の定番である。本来は、桜の開花を待ちわびながら食べるのが粋なのだろうが、やっぱり桜を見ながら食べる桜餅もおいしいもの。そんな桜餅にも種類があることをご存知だろうか。
関東出身の私にとって桜餅と言えば「長命寺」のこと。長命寺とは、小麦粉メインの生地をクレープ風に焼いた桜餅で関東ではおなじみだ。対して関西の主流である「道明寺」とは、もち米を蒸して乾燥させて砕いた道明寺粉を使った桜餅で、つぶつぶした食感が特徴。最近では、関東の和菓子屋さんでも目にするようになった道明寺だが、私が知ったのはつい最近のこと。一般的にはいったいどちらが人気なのか? 気になったので友人や掲示板など全国各地の男女約20名に聞いてみた。
すると驚いたことにというか、やはりというか、半数近くの人が「2種類あるとは知らなかった」と回答。
そしてなんと、今回のアンケートでは長命寺と道明寺のどちらも知っているという人は、地域を問わず全員が道明寺派(両方好きという回答も含む)。しかも「絶対に道明寺!」という熱いファンが多かった。うーん、やはり最近の人気は道明寺なのだろうか……。
とはいえ、関東ではまだまだ長命寺が一般的で、スーパーやコンビニでも道明寺はそれほど見かけない。しかし関西の習慣であった恵方巻きがいつのまにか全国に広がったように、道明寺も数年後には全国に広まっているのかもしれない。
あなたが今年の桜を見ながら食べたい桜餅はどちら?(古屋江美子)