「ビール腹」って実在するのか?
ビール腹が気になっても仕事の後の「とりあえずビール」はやめられない
暖かくなったし、プロ野球も開幕したし、ビールのおいしい季節がやってきた。

しかし、どうしても気になることがある――「ビール腹」だ。
中年男性を見ると、ベルトにお腹のお肉がドッシリのっている人も多いが、あれって本当にビールのせいなのだろうか? そうだとしたらビールの威力恐るべし。毎日ビールを愛飲している私のお腹の未来も危うい。

これは早めに確認しておいたほうがよさそうだ。ということで早速、アルコール健康医学協会の方に聞いてみると、「ビールを飲んでビール腹になるということはないですよ」という回答。これはビールファンにとっては朗報では?!

「アルコールのカロリーは1gあたり7kcal。でもそれは熱として発散されるので、基本的に体に溜まるものではないんですよ。
もちろんお酒にはアルコール以外の成分も含まれていますので(特に醸造酒には)、その意味では体に溜まる、即ち、太る要素もあると言えますが、飲む絶対量からするとたいしたことではありませんね」
これで一安心だ。それなら、なぜビールは太るイメージなのだろう?

「基本的にはアルコールと一緒に食べるものによって太ってしまうんですよね。特にビールは、炭酸系なので胃を刺激して、食欲を増進させるんです。しかも度数が低くてつい飲みすぎてしまって、おつまみなど食べ過ぎてしまうんですよね。だから、ビールは太るとか、ビールを飲むとビール腹になると言われるのでしょう」
確かにビールを飲んでいるとついつい食べ過ぎてしまう。ビールそのものでは太らないといっても、やはり飲みすぎると太るきっかけを作ってしまうのだ。
なかなかキビシイ現実……。

さらに、歳をとると基礎代謝が減り、余分なカロリーが体内に残るので、太りやすくなるのは避けられないそう。さらに男性は、太るとお腹がぽっこり出てしまう人が多い。肥満のタイプのなかでも、お腹まわりに肉がつく「りんご型」は男性に多く、腰から下に肉がつく「洋ナシ型」は女性に多い。それが「ビール腹は中年男性に多い」というイメージがついてしまった理由なのだろう。ということは、女の私はビール腹になる可能性は低そうだ。


また、たまにビールを飲むと痩せると思っている人もいるらしいが、さすがにそんな美味しい話はないとのこと。
「ビールを飲むとトイレに何度も行くので、なんだか痩せたように感じる人もいるようですが、水分が一時的に体からなくなっているだけのこと。結局必要な水分を取り入れれば、元に戻ってしまいます。水を1リットル飲むと200ccの尿が出ますが、ビールは1リットル飲むと1リットル尿になるといわれているんですよ」
だから、飲み会のときは何度もトイレに行きたくなるのだ。

とりあえず、ビールを飲んでいるだけでは「ビール腹」にはならないことがわかった。飲んでも食べ過ぎさえしなければ、ビール腹は防げるようです。
って、それが難しいんだろうけど。
(古屋江美子)