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夢か現か、日曜早朝、シブすぎる菅原文太の世界

夢か現か、日曜早朝、シブすぎる菅原文太の世界
日曜朝、それも朝5時半。誰もがまだ深い眠りの中にあるそのときに、ラジオからシブい文太の声がこう告げる。
「おはようございます。お目覚めでしょうか。菅原文太です」

ニッポン放送のラジオ番組『菅原文太 日本人の底力』のはじまりである。番組名からお分かりのように、菅原文太の番組なのであるが、BGMもなく静寂のなか、この文太の挨拶が投げかけられるのだ。
ゆったりした、威厳あるダミ声は、サントリーの懐かしのCM「飲むときはただの人じゃけのお」そのまんまな感じで、緊張感に、正座をして聞き入ってしまいそうな気分になった。なにしろ、「文太」で「日本人の底力」だ。さぞかし「仁義なき」ことや、「トラック」なことなどを教えてくれそうではないか。期待に胸躍らせていると、静寂のまま、いつの間にか墓石のCMになっていた。同じトーンでの文太ナレーションCMなので、番組とCMとの境界が分からない。

「……大切な、もの。大切な、人に……」
文節ごとに区切って読む重厚さ、余韻。さすが文太、いいこと言うねぇと思ったら、
「遺族信託銀行がお送りします」
やっぱりCMかよっ!?

こんな調子で番組は始まり、ゲストが登場。毎回、各界の専門家などをよび、対談するという形式のようだが、今回はNPOの地震工学の人で、阪神大震災のこと、スマトラ沖地震についてなどがテーマであった。
専門家の難しそうな話に、文太から「耐震偽装」についての質問が投げられ、ゲストは「鋭いところをついてきますね」とたじろぎながら、これまた難しそうな答えを返してくる。専門家に対して、一歩もひかない文太。
ここにはもう「ワシは〜」とか「〜じゃけえ」「不器用ですけん」みたいな空気はない。
冒頭のゆ〜っくり、一語一語を噛み締めながら話す「文太節」とはうってかわって、テンポよく次々に質問を投げ、ツッコミもしていく進行上手な「ニュー文太」。
そればかりか、「〜って気がしないでもないんだけど」などと、日本人らしい、遠慮がちな婉曲表現もばんばん飛び出していた。

時間が時間だけに、BGMもなく、難しい問題を二人がガチで語り合う様は、聞いているうちについ、「ぐぅ」「ZZZZ……」になってくる。不真面目なリスナーですみません……。
だが、うっかりウトウトしていると、先ほどまでの静寂を破るように、唐突に、
「さ〜、どんどんハガキちょうだいよっ!」と、ノリノリの軽い口調が流れてきた。横峯さくらの父がパーソナリティをつとめる「さくらパパ良太郎のゴルフ大好き」である。

あまりの落差に、さっきまでの文太の世界が、夢か現かわからなくなるほど。
だが、調べてみると、この菅原文太の番組、「現」に存在してました。それも、2003年から「菅原文太 ホーホーふくろう〜ふくろうは眠らない」として始まり、時間帯や番組名をかえながら、存続してきたもののようで、これをまとめた書籍まであるようだった。

シブすぎる「文太の世界」。ちょっと早起きすると、いつもと違う日曜の朝を演出してくれます。
(田幸和歌子)

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