飲んだあとのラーメンは食べても太らないってホント?
飲んだあとのラーメンってどうしてあんなにおいしいんだろう……
先日、家族で温泉旅行に行ったとき、夜中に小腹が空いたので、旅館の横にでていた屋台のラーメンを食べに行った。

すると屋台のおじちゃんは、開口一番、
「お客さん、お酒はいってる?」
母は飲んでいなかったが、他3名は全員飲んでいた。
その旨を伝えると、
「飲んだあとには、ラーメンがいいんだよ!」
と嬉しそうに言い、こう続けた。
「飲むと体から、水分やブドウ糖が不足しちゃうんだよね。ラーメンは麺でブドウ糖、スープで水分とまさに体が欲しているものを補えるから体にちょうどいいんだよ。むしろ、飲んでいない人のほうが太るんだよ」
これを聞いた母はショックそうな顔……。もちろんちゃんと食べていたけど。

しかし、本当に飲んだあとのラーメンは太らないのだろうか? そこで以前、ビール腹についても教えてもらったアルコール健康医学協会に問い合わせてみると、
「当方、専門的に調査・研究しているところでありませんので、正確にお答えできませんが……」
という前置きをしたうえで、次のように答えてくれた。

「太るか太らないかは摂取カロリーによりますので、そのぶん太ることは確かだと思います」
えっ、やっぱりそうなの?! 一瞬信じかけたよ、屋台のおじちゃん……。よく考えれば、ダイエット関連の記事にも、飲んだあとのラーメンは大敵! といったことがよく書いてあるような。

酒を飲んで肝臓でアルコールを分解すると、体内のブドウ糖が不足する。また、アルコールの水分は尿として排出されてしまうので水分も不足する。確かに、それらはラーメンを食べると補うことができる。ただし、体が不足したものを補った場合でも、カロリーを摂取していることには変わりがない、ということだ。
とはいえ、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が下がると、空腹を感じて、つい食べたくなってしまうのだが。

また飲んだあとに、なかでもラーメンを食べたくなる理由としては、
「ラーメンを欲しくなる、また、特においしく感じるのは、水分不足は確かですが、塩分については、アルコールで味覚が麻痺しているので、塩分多めのものが欲しくなるということもあると思います」
とのこと。そういえば、屋台のおじちゃんも、
「足りないものを補うなら、うどんでもいいんだけどね。飲んだあとだと物足りない味でしょ?」
と言っていたっけ。

温泉で翌朝、体重を計ったところ、母以外の全員が増えていた。でも、食べている量は変わらないはずでは?
「アルコールは7kcal/gありますので(ビール大瓶1本ではごはん約1杯半〜2杯位のカロリー)、熱で消失されはしますが、ご注意ください」
やはり、アルコールといえども飲みすぎれば太ってしまうのだ。


おじちゃんの一言に翻弄されたが、結局従来の認識どおり、太る可能性を多分に秘めていた飲んだあとのラーメン。でも、なかなかやめられないのもまた現実なんですが。
(古屋江美子)