寝ない子どもの「寝かしつけ」悪戦苦闘全記録
あらゆる「寝かしつけ」方法を試した上で、これに落ち着きました(上下逆につけてますが)。傍から見ると、ちょっとヘンタイです。
5歳になる娘の「寝かしつけ」に、これまでずいぶん苦しめられてきた。もはや一生のテーマではないかと思われるほどに。


とにかく寝ない。本人も悪意でやっているわけではなく(当たり前だが)、「寝よう」という意志があるにもかかわらず、どうにもうまく眠れないのだ。
友人や姉、母親、知り合いの育児雑誌編集者などに聞き、ネットで調べ、試してみた寝かしつけ方法は数知れず。その悪戦苦闘の記録をご紹介したい。

赤ちゃんの頃、まず試したのは「足元をあたためてあげること」だった。
「足元が冷えてたり、自由に動くと、落ち着かないから眠れないんだよ」と、母や友人は言う。
海外では毛布でぐるぐる巻きにして寝かしつけるところもあると聞き、足元を毛布で巻いてみた。でも、思いきり蹴飛ばすし、烈火のごとく怒る始末……。
ゆったりした音楽を聴かせるのも、効果ナシ。アロマオイルのマッサージも効果ナシ。
「カンガルーケアといって、お母さんのおなかの上にうつぶせにしてあげると、安心して眠るよ」とも言われたが、おなかの上で嬉しそうに動く動く。

「寝ないときは、夜中のドライブがいちばん」と言われたが、車を持ってないので、毛布にくるんで、夜、散歩をしたこともある。
結果、ますます目がぱっちり……。
「寝ようと考えると、逆に眠れなくなるんだよ。一度、テレビも電気もつけて好きなだけ起こしておいたら? 翌日はぐっすり眠るから」
これも、やってみたが、いつまでも眠くならないらしく、さらに翌日もエンドレス……。
「シャワーの音を聞かせるといいよ」
水の音でリラックスして、眠くなるというのだが、おんぶヒモでおんぶしているこっちが、なぜかリラックスして眠くなるばかり。水道代もかさむし……。
「お昼寝前には、部屋を暗くして、本を読んであげるんですよ」と、保育園の先生は言うが、本を読んであげるうち、興奮するのか鼻息が荒くなることすらあり、眠るまでの時間は果てしなく長い。

「海外では、サンチュやレタスに誘眠効果があるからといって、運転前に食べちゃいけない国もあるんですよ。サンチュ、食べさせてみたら?」と友人に言われ、毎晩、サンチュかレタスを食べたこともあったが、本人は「美味しいね〜」と喜んだだけ。
日中たっぷり遊ばせて、くたびれさせても、眠る前に軽い体操をさせても、疲れて先に眠ってしまうのは、大人のほうである。

そもそも大人の体の「充電量」と、子どもの「充電量」には、相当な差があるのではないか。子どもは、あまりにも電池切れが遅すぎるのだ。

そんな諦めの境地もあり、いまだに本を読んであげたり、悪戦苦闘は続いているが、少しだけマシになるアイテムを入手した。

夏の「ジャンプフェスタ」で購入した、『銀魂』の沖田総悟のアイマスクである。
これをつけると、部屋を暗くするよりも、完全に光が遮断されるためか、案外、早く寝付くのだ。これまであれだけ努力して、報われなかったのに……。

今はこのアイマスクが、眠るときに欠かせない存在となっている。なんか拍子抜け。
(田幸和歌子)
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