「首から上の不調は耳鼻科へ」は本当か
何科にかかるべきか。ついつい迷ってしまいますよね。
娘が咳をしていたので小児科を受診したが、なかなか治らず長引いた。それで、耳鼻科を受診してみたところ、「首から上は耳鼻科の範疇ですよ」と、耳鼻科医に怒られたことがある。

「咳で内科や小児科に行くのは、日本くらいですよ? お母さんたちが子供の頃、なんでも内科や小児科にかかっていたから、そうするんだろうけど、本来、のどの痛みとか咳とか、首から上の場合は耳鼻科なんです」というのだ。
反射的にムッとしたものの、娘の症状はアレルギーから鼻水がのどのほうにおりてきてしまうものと説明され、実際に耳鼻科を通院しているうちに症状が改善されたので、「なるほど、一理あるのか」と認めざるを得なかった。

だが、先日、再び咳が出て、また耳鼻科を受診したところ、「扁桃腺の腫れ」として抗生剤をもらったのだが、39度以上の高熱となり、内科を受診すると、「風邪をこじらせてしまった」と言われた。
となると、最初から内科を受診したほうが良かったのか……。悩みどころである。

そんな話を総合診療科の医師をする友人にしてみると、
「臓器では分けられないですよ」
ということだった。
「たとえば、カゼでウイルスがつくといっても、つきやすい場所は個人差があるし、のどが腫れるウイルスや咳を起こすウイルス、溶連菌があったり。耳鼻科の抗生剤で治るものもあれば、合併症で腎炎を起こすことも考えられます」

また、「1カ月以上咳が続く場合」だけでも、様々なケースが考えられるのだそうだ。
「『慢性咳漱(がいそう)』というものや、喘息に近いものもあれば、鼻水がおりてくるものもあるし、ヒューヒューいわない咳喘息もあるし、カゼのあとの咳や、百日咳もあります。さらに、『逆流性食道炎』といって、消火器系の咳もあるし、高血圧の薬の副作用で咳が起こる場合もあるんですよ」

ちなみに、ウイルスの場合、基本的にはクスリで治せるわけではなく、「医師ができるのは、体力を温存させたり、熱を下げたり、症状を緩和させる『対症療法』だけ」ということだった。
じゃ、やっぱりまずは内科を受診したほうが良いということ?
「いや、耳鼻科とか内科とかの区別ではなく、やっぱりわかるかどうかは『経験豊富な先生』ということでしょうね。ただ、子供の場合、保育園や学校のかかりつけ医だと、カゼの流行などがわかるから、発見は早いと思います」

うーん、結局、「先生の経験値と実力次第」なのか……。そう呟くと、こんなアドバイスがあった。
「いちばん良いのは、自分のかかりつけ医を持っていること。『いつもの自分』がわかっている先生だと、普段何かのクスリを飲んでるかなども把握できるし、総合で判断できるので安心ですよ」

ちなみに、ここ数年、「どこへ行ったらいいかわからない」という人のために、「総合診療科」「家庭医」というものを設けている病院も増えてきているとか。
迷うときにはぜひご参考に。
(田幸和歌子)