お宅のチューリップ、異変はありませんか?
我が家のチューリップがオカシイ!? わけは……
暖冬の影響か今年はいつのまにか春になっちゃったという感じだ。
我が家でもあっという間に昨年植えたチューリップが咲き始めた。

でも、そのチューリップがなんだか変なのである。普通だったらあと1カ月くらいはぐんぐん葉や茎が伸びて、その後ようやくつぼみが膨らんでくるというところなのだろうが、葉や茎も大きくなりきらないうちに花が咲いてしまったのだ。
茎は異様に短く、まさに地面から花だけが出ているような感じ。
こんなチューリップは見たことない。一体これはどうしたことか。
1球あたり50円ほどの安いものを買ったせいなのか、植え方が悪かったのか、はたまた暖冬の影響なのか。球根の販売元の連絡先は無くしてしまったので今となっては問い合わせをすることもできない。

そこでチューリップ球根生産の本場、富山県農林水産部農産食品課にチューリップについて話を聞いてみた。
「買ったばかりの球根なのに球根が割れてしまったということですが、チューリップは浅く植えてしまうと分球、いわゆる球根が分かれやすくなってしまいます。球根は球根の2、3個分深くして植えるといいんです。それと、茎が短いということですが、チューリップは普通、茎が伸びて花が咲きますが、実は低温にならないと花首が伸びないんです。だいたい2度から5度以下を8週間から10週間経ないと低温不足でずんぐりむっくりのチューリップになってしまうんですよ」

「それと、球根が安いというのもあるかもしれませんね。
チューリップの球根は球根の周径、直径ではなく胴回りですね、これが12センチほどですが、安いものでは球根が小さく周径が10センチ、9センチというものもあります。球根は小さいと花が咲きにくいのです」

そ、そうだったんですか。
私、かなりいい加減な球根の植え方をしていたようです。きちんと説明文を読まずにパパッと植えてしまったかも。よくよく見てみると、球根が見えているし。あちゃ、これはかなりの浅植えとみた。そそっかしい性格がこんなところにも出てしまうとは。どうやら私のやってしまった浅植えと暖冬、そして安い小さな球根というトリプルパンチでこんな不思議なチューリップになってしまったようだ。

「今年の冬は暖かかったので茎の短めのチューリップは各地で見られるかもしれませんね」

今年はちょっと変な咲き方をしてしまった我が家のチューリップ。けれども今後きちんと世話をしていけば2、3年後には復活する道もあるとのこと。
「今咲いているものは無理に植え変えたりしないほうがいいです。チューリップの根っこは傷つくと再生しませんからそのままにしておいて、花が終わって葉が枯れる5月頃に球根を掘りあげて下さい。
周径12センチの球根では翌年度には球根はだいたい7センチ、5センチ、3センチの3つに分球します。7センチのものは花が咲くがどうかですが、小さな花は咲かせずに球根を太らせれば翌年には10センチ程度になります。5センチのものは7センチ、3センチのものは5センチと大きくなっていきます。そして葉が枯れる時期に球根を掘りあげて、また秋に植えてあげるというのを2、3年繰り返せば球根は充分に花を咲かせられるようになりますよ」

今年は私のせいでこんな咲き方をさせてすまない、チューリップ君。
でも、どんなにへなちょこりんでも毎日水をやって育てているとかわいく思えてくるもの。
2、3年後に見事な花を咲かせてくれることに期待しつつ、「これはチューリップではなくてこういう花」と思って今年は愛でることにします。
(こや)
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