幻の“青いバラ”を見てきたよ
英語「blue rose」の意味が変わる日が来るかもしれない
英語で“ブルー・ローズ”といえば、「不可能、ありえないこと」の代名詞。SF小説の中だけの存在……と思われていた青バラを、あのサントリーが14年の歳月をかけて現実につくることに成功した! というので話題になっていましたよねー。

その夢の「青いバラ」が、11日から17日まで大阪で開催されているアジア初の『世界バラ会議2006』で公開される! というのでメディア向けプレビューへいってまいりました。場所はこのイベントのメイン会場である、花博記念公園内で開催中の「ばらフェスタ大阪」(『ばらフェスタ』の一般公開は12日〜14日)。
サントリーでは1990年からオーストラリアのバイオベンチャー企業と提携し、この青いバラづくりに取り組んできたらしい。

で、実際見てみた感想は……想像していた深海のようなブルー! ではなかったものの、確かに紫がかった美しい青。すこし大人びた深みのある色合いで、その神秘的な姿に思わずため息がこぼれてしまいました。
展示方法もガラスケースで大切そうに保護され、長く持つよう温度管理も。
まさに「手にふれることができない高貴な姫」……という風情。しかも、一般のお客さんは撮影禁止なっておりました。
ちなみに、青色の秘密は“デルフィニジン”という青色色素だそう。長年、多くの育種家がこの「青いバラ」を夢見て世界中のバラを交配させてきたそうだが、これまでこのデルフィニジンに由来するバラは存在しなかったのだそうだ。そこで、サントリーは交配ではなく、パンジーなどの青い花から青色色素をつくる遺伝子を取り出し、バラに組み込むことで青いバラづくりに挑戦。長年の研究の末に、かつてない青さのバラをつくり出すことに成功したのだとか。
う〜む、これはまさに最先端のバイオテクノロジーが咲かせた夢の花、だったのですねー。

ところで、気になるのはいつか私たちもこの「青いバラ」を、気軽に部屋に飾ったりできるようになるのだろうか? ということ。
サントリー広報の方に聞いてみたところ、2007年末には一般販売できたら……と考えているそうですよ! やはり、稀少価値性からふつうのバラよりは値段もお高めになってしまうそうだがそれだけに大切な人に贈る、とっておきの花になりそうですよね〜。
「青いバラ」が究極の愛の告白になる日がくるかも? と思わず妄想してしまいました。ブーケとまではいかなくても、1輪だけ箱に入れて愛する女性に…なんてのも素敵ですよね!
ちなみにバラの花言葉は、赤は「愛情、熱烈な恋」、白は「尊敬」、黄色は「友情、可憐」など色によって違うって知ってました? この「青いバラ」にはまだ花言葉がないそうなので、勝手に考えてみました! 不可能を可能にしたということで「愛の奇跡」とか「不可能な恋を叶える」なんてどうでしょう?

サントリーはこの青バラを開発する過程で、世界初の「青いカーネーション」というのも1995年に誕生させたそう。こちらは「ムーンダスト」の名ですでに出回っているそうなので、母の日も近いことだし、青バラはまだムリとしても今年は愛するハハorツマに青いカーネーションを贈ってみてはいかが。

(野崎 泉)