手首の上で地球が回る「地球時計」
(上)地球時計wn-129,400。地球と同じ動きをするので、時計なのに反時計回り。<br>(下)南半球バージョンws-133,600。本体とベゼルを交換して使う<br><写真提供:Think the Earth プロジェクト>
手首の上で地球が回る、そんな不思議な時計があるという。「Think the Earth プロジェクト」が販売する「地球時計」がそれ。
かつて科学少年だった筆者、これは実物を見ないわけには行かない、と、オフィスにお邪魔することにした。

「プロデューサーの上田が、皆が宇宙飛行士の気分で地球のことを考えたら、何かが変わるのではないか、と発案したものです。『地球/母なる星』(小学館)という写真集に感動したことがきっかけで、『身に付ける地球』というアイデアをずっと持っていました」
広報担当の奈良さんは語る。当初はデジタル時計を考えて、プロトタイプまで製作した。しかし開発を始めた1998年当時は解像度の高い液晶がなく、バッテリーの問題もあってアナログ時計に落ち着いたという。精巧な球面印刷や曲面ガラスの加工が難しく、開発には苦労が多かったそうだが、セイコーインスツル株式会社の職人さんなどと協力し合い、なんとか実現させたそうだ。


半球形のきれいなガラスドームの中で、小さな地球が反時計回りに24時間で一周する。これは地球の動きと全く同じ。時計回りに60分で一周する分針と合わせて時刻を知ることができる。早速手首にはめてみた。
「宇宙船の窓から見た地球をイメージしたデザインになっています。腕を一杯に伸ばしてみてください。
ちょうど、月面から見た地球と同じ大きさになります」
えっ、地球ってこんなに小さいのか! 自分が月面に立った場面を想像してみる。こんなに小さな地球を見たら、少し不安を感じるだろうか。

20〜30代の男性の購入が多いそうだが、10〜80代まで幅広く売れているという。女性は腕には付けにくいかな、という大きさなのだが、
「カバンに付けたり、ベルトをはずしてペンダントにしたり、置時計にされている方もいます。女性の方がいろいろ工夫されているようですね」
時計付属のデザインカードと組み合わせると、デスククロックとして使える。カードは笑いを誘うもの、自然を感じさせるもの、人間について考えさせるものなど20枚。
机上で回る地球というのも悪くない。
「ご主人が海外へ単身赴任中のご夫婦が、この時計をひとつずつお買いになりました。お互いに眺めているうちに、『別々の国に住んでいる』という気持ちが『時間、地球でつながっている』という気持ちに変わったそうです。これを聞いたときは嬉しかったですね」

2001年に発売された地球時計、ネットショップの他、ミュージアムショップや雑貨店など、国内外約70店舗で販売中。また、4月15日までの期間限定だが、東京都杉並区のルミネ荻窪にも出店中。さらに、4月21日から5月末までの期間限定で、横浜市都筑区に新規オープンする大規模ショッピングモール「ノースポート・モール」にも出店。
機会あらばぜひご覧あれ。
(R&S)

「Think the Earth プロジェクト」HP
「Think the Earth Shop ソーシャルデザインマーケット」HP