光を与えるだけ、ガラスのなかのミニ地球
(上)H25cm X D25cmと手頃なサイズのWGシリーズ (下)じっくり観ていると小エビの動きは興味深い<br>(C)アウトライドブランドシップビルダー
エサも与えず、光を与えるだけで生物は飼えるのか?――答えはイエス。それが「BEACHWORLD(ビーチワールド)」だ。


BEACH WORLDとは、小エビ、藻、バクテリアなどが入ったガラスの球体。光合成と食物連鎖という地球のライフサイクルによって生命が維持されるので、光を与えるだけでOK。もちろんエサもいらないし、水も換える必要もない。藻を食べるエビ、クルクルと回って遊んでいるエビ、サンゴでひと休みするエビ……見ているだけで和むガラスのなかの世界。見た目もかわいらしく、インテリアとしてもお洒落だ。

同商品は、もともとアメリカのパラゴン社がバイオスフィア2(アリゾナ州にある生態系の研究施設)での研究をもとに、1960年代から研究していたクローズドエコシステム(完全閉鎖生態系生命維持)を商品化したもの。
なんとNASAと協力してスペースシャトルに乗り、宇宙ステーション「ミール」での研究もされたというから、その技術は本物。その後、イタリアのグローバス社が販売の権利を獲得し、現在に至る。

今回はグローバス社の日本総代理店で、2004年12月からBEACH WORLDを販売しているアウトライドブランドシップビルダーの担当者に、この商品を販売しようと思った理由を訊いてみた。
「地球もBEACH WORLDと同じ完全閉鎖生態系です。現時点では、まだ一般の人が地球外から地球を眺めることはなかなかできませんが、BEACH WORLDによってより地球人として意識が高まればと思っています」
この小さなガラスのなかで、地球と同じ生態系が実現されているなんて、なんだか不思議な感じ。

「目に見えないバクテリア、光合成によって育つ藻、小さなエビによって、この環境は維持されています。
一つでもなくなると全てが終わってしまう……。見ていて心が和み、自然や地球とより長く楽しく暮らしていけたらいいな、という気持ちになれるものだと思い、当社では大切に取り扱っています」
商品への愛が感じられるコメントに、地球人としての私の気持ちもシャンとした。

BEACH WORLDは、ガラスの形状やなかに入っているアイテムの違いにより、いくつか種類がある。現在の売れ筋は、ちょっと男らしいLAVA ROCK(火山岩)が入っているDEEP(ディープ)だそう。

ちなみに購入した場合、取り扱いに注意。私たちにとって小さな衝撃でも、ミニ地球にとっては影響度大。
持ち上げて揺らしたりするのはご法度だ(球体を地球だと思えば、影響の大きさがわかるはず)。

愛情を込めて見守りたい小さな地球、BEACH WORLD。あなたのお部屋にもひとつ、いかがですか?
(古屋江美子)