ゴールデンウィーク、信州安曇野へ田んぼを見に行こう
(上)田んぼに映る北アルプス。<br>(下)去年は桜も咲いていた
ゴールデンウィーク。信州長野の高原へと行楽を計画している方もいらっしゃるでしょう。
瑞々しい新緑の風景に、思わずカメラを向けたくなったりしますが、そんな方にちょっと注目して欲しいのが「田んぼ」。信州の食べ物と言えばわさび、そば、馬刺、りんごといったワードが並びそうですが、日本人の主食、お米だってたくさん作られているのです。

松本の北西に広がる安曇野の田植えは、5月中旬が盛り。そう言えば筆者が小学生の頃、「田植え休み」という2日くらいの休みがありました。中学校に上がる頃にはなくなってしまい、子供ながらに時代の流れを感じたものです。5月、ゴールデンウィーク後半ともなれば田植えの準備も進み、水張り、そして田んぼをならす代掻きの作業もだいたい終わっています。

一面にならされたきれいな田んぼ。そして、背後にそびえ立つのはまだまだたくさんの雪をたたえる北アルプス。新緑と雪山の対比だけでも十分美しいのですが、この田んぼが風景をさらに引き立たせます。茶色の水面に映る白い高峰の峰々。水面に映る山の写真はだいたいきれいなものですが、水がなければ撮れません。田植えが終わって稲が生長した後にも撮れません。
この景色が撮れるのは、4〜5月のわずかな期間に限られるのです。長野県の水田の作付面積は約3万6千ヘクタール。一時とはいえ、琵琶湖半分ほどの大きさに匹敵する広大な水面が広がるわけです。

ドライブしていると、沿道でカメラを持った集団に出会いました。皆、山の方を向いています。この風景を撮影しているのでしょう。田んぼはたくさんあります。人だかりの嫌いな筆者はここを避け、別の静かな場所で撮影してみました。北アルプスは急峻なだけに山頂が里に近く、田んぼに映る姿も大きい。さわやかな初夏の風が吹いていて、「止水明鏡」とはいきませんでしたが、素人が普通のデジカメで撮っても、結構な写真になりました。水がきれいなせいもあるのでしょう。寒かった去年は、随所に桜も見られました。


地味ですがこの時期だけの風景。ちょっと目を向けてみてはいかがですか。
(R&S)
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