
『イフ・ザ・キッズ・アー・ユナイテッド』。今もワーキングクラスを熱くさせる、男気あふれる名曲です。そして、奥にちらっと見えるジャケは……!?
なにげなくついていたテレビ。画面に映るのは、アンパンマンをキャラクターにした、赤ちゃん用紙オムツの、カワイイCM。
しかし、そこに流れてくる曲、それに思わずひっくりかえってしまった。
ド、ド、ド、ド、というバスドラと、ドガジャーン、ドガジャーンという印象的なギター。あれっ、これってもしかして……と思った次の瞬間、
「イッザッキッズ、アユナイテッ!(筆者注・諸々の理由より、正確な歌詞は省略させていただきます)」
という、サビのコーラスが! やっぱりそうだ、マジで!?
オムツのCM曲として流れるのは、シャム69というイギリスのパンクバンドの1978年の曲、『イフ・ザ・キッズ・アー・ユナイテッド』という曲。
ここからちょっと解説。
当時、パンクスとスキンヘッズという、対立しあう2つの勢力に支持されていた彼ら。ライブのたび、そのファン同士の乱闘や暴動騒ぎが絶えなかった。
そんなとき、ヴォーカルのジミー・パーシーが、泣きながら歌ったのが、この曲だとされる。
「もしキッズが団結すれば、絶対に分裂することはない」
そんな、男気あふれる名曲。だいたい解説おわり。
酔っぱらった深夜のクラブで、DJのかけるこの曲に、両の拳を突き上げて、サビを大合唱。酒とタバコの匂い。大音量。
個人的にはそんな懐かしさも含めての曲なのだが、なぜ、こんなパンクの名曲が、赤ちゃんのオムツのCM曲に? すげえ時代だな、ジミー。
当のCM、「GENKI」という新しいブランドの、赤ちゃん用紙オムツのものなのであるが、ブランドを展開する、王子ネピア株式会社に、なぜこの曲を、と率直にたずねてみた。
すると、
「『GENKI』という新しいブランドの理念が、“日本中のすべての赤ちゃんに元気になってもらいたい”というものなんです。そこで、元気の出るような雰囲気を持った曲として、選ばせていただきました」
でもパンクロックですよ、イギリスの労働者階級に熱狂的に支持される曲ですよ。
「曲で歌われる『キッズ』とは、厳密には意味合いは違うものだと思っています。今回は、この『キッズ』を、そのまま『子どもたち』というとらえかたをさせていただき、『子どもたちが団結すれば〜』という、子どもたちに送る応援歌ということで、使わせていただきました」
団結した“子どもたち”、確かにワンパクそうで、誰にも負けない感じがする。曲調とも相まって、これからの赤ちゃん、なんか頼もしい気もしてきた。がんばれ、赤ちゃん。
ところで、今回のCM曲候補としてあがっていたなかに、栄光をつかんじゃう系の、国内某パンクバンドの、あの名曲があったという話を耳にした。
もし、アンパンマンのオムツのCMがこっち版で作られていたら、どんなものになっていたのだろう。
密かにそんな妄想をして、楽しんでみたり。
(太田サトル)
しかし、そこに流れてくる曲、それに思わずひっくりかえってしまった。
ド、ド、ド、ド、というバスドラと、ドガジャーン、ドガジャーンという印象的なギター。あれっ、これってもしかして……と思った次の瞬間、
「イッザッキッズ、アユナイテッ!(筆者注・諸々の理由より、正確な歌詞は省略させていただきます)」
という、サビのコーラスが! やっぱりそうだ、マジで!?
オムツのCM曲として流れるのは、シャム69というイギリスのパンクバンドの1978年の曲、『イフ・ザ・キッズ・アー・ユナイテッド』という曲。
ここからちょっと解説。
当時、パンクスとスキンヘッズという、対立しあう2つの勢力に支持されていた彼ら。ライブのたび、そのファン同士の乱闘や暴動騒ぎが絶えなかった。
そんなとき、ヴォーカルのジミー・パーシーが、泣きながら歌ったのが、この曲だとされる。
「もしキッズが団結すれば、絶対に分裂することはない」
そんな、男気あふれる名曲。だいたい解説おわり。
酔っぱらった深夜のクラブで、DJのかけるこの曲に、両の拳を突き上げて、サビを大合唱。酒とタバコの匂い。大音量。
汗。ああ、気持ちいい。
個人的にはそんな懐かしさも含めての曲なのだが、なぜ、こんなパンクの名曲が、赤ちゃんのオムツのCM曲に? すげえ時代だな、ジミー。
当のCM、「GENKI」という新しいブランドの、赤ちゃん用紙オムツのものなのであるが、ブランドを展開する、王子ネピア株式会社に、なぜこの曲を、と率直にたずねてみた。
すると、
「『GENKI』という新しいブランドの理念が、“日本中のすべての赤ちゃんに元気になってもらいたい”というものなんです。そこで、元気の出るような雰囲気を持った曲として、選ばせていただきました」
でもパンクロックですよ、イギリスの労働者階級に熱狂的に支持される曲ですよ。
「曲で歌われる『キッズ』とは、厳密には意味合いは違うものだと思っています。今回は、この『キッズ』を、そのまま『子どもたち』というとらえかたをさせていただき、『子どもたちが団結すれば〜』という、子どもたちに送る応援歌ということで、使わせていただきました」
団結した“子どもたち”、確かにワンパクそうで、誰にも負けない感じがする。曲調とも相まって、これからの赤ちゃん、なんか頼もしい気もしてきた。がんばれ、赤ちゃん。
ところで、今回のCM曲候補としてあがっていたなかに、栄光をつかんじゃう系の、国内某パンクバンドの、あの名曲があったという話を耳にした。
もし、アンパンマンのオムツのCMがこっち版で作られていたら、どんなものになっていたのだろう。
密かにそんな妄想をして、楽しんでみたり。
(太田サトル)
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