「女性誌」、今も昔も変わらない!?
(上)1950年から創刊の『女学生の友』、表紙がなかなかのインパクトです。<br>(下)流れとしては『女学生の友』→『プチセブン』→『PS (Pretty Style)』
仕事の関係もあって週に2、3回は図書館に行くのだが、仕事とまったく関係のない本をついつい読みふけってしまうことがある。
先日も雑誌目録で『女学生の友』という雑誌を偶然見つけてしまった。
目録によると『女学生の友』は1950年4月号から1977年12月まで刊行された、小学館が発行した少女向けの雑誌とある。1977年12月号で休刊となりその後、総合週刊誌として創刊されたのが『プチセブン』となっている。

私の場合、最新号はもちろんだが比較的古い雑誌にやられてしまう場合が多い。『プチセブン』は2002年に廃刊となり、現在はその継続誌として『PS (Pretty Style)』 が発行されている。
誌名は変わっているにせよ継続誌という形で今につながっているという『女学生の友』。読んでみる価値はありそう。本来の業務をそっちのけでさっそく閲覧してみることにした。

私が行った図書館では、『女学生の友』の創刊号は所蔵しておらず、一番古いのが1951年1月号だった。表紙は新年号だけあって晴れ着姿の女の子のイラスト、というか“絵”。グラビアが多い現代の雑誌からすると驚くほど読むところが多い。
内容は小説が中心。純情小説、探偵小説、抒情小説、世界名作と小説、物語、名作と銘打ったものが13本。
その他はたのしい英会話ルーム、俳句の作り方なんていうページもある。

付録もついていたらしく、新年号では女学生ダイアリーとおとぎの国カレンダーとなっている。残念なことに付録は見ることができなかったが、個人的にはこの女学生ダイアリーというのがとても気になる。
そしてさらに気になったのが巻頭グラビア。新進気鋭のバイオリン奏者などが紹介されているのだが、なぜかしっかり住所まで書かれている。これはファンレターの宛先用なのか。個人情報が取り沙汰される現代では考えられない。

そして何と言ってもこの手の年代ものの雑誌の面白さを引きたててくれるのが、読者投稿(以下原文のまま)。
「11月号ありがとう。付録のアイロンプリント、さっそくハンカチにしました。とってもはっきりうつってぼろぼろのハンカチでも見ちがえるようよ」
当時の女学生、やはり素直なようです。

「女学生の友買うと家中でひっぱりだこなの。
弟も小学五年生とっています。いつも私、やっぱり小学館の本はいゝなぁって思います。女学生の友がもっともっとりっぱな本になるようにいのりつゝ」

当時の読者が『女学生の友』→『プチセブン』→『PS (Pretty Style)』の変遷を知っているのかどうかはわからないが、おそらくびっくりすることは間違いない。
『PS (Pretty Style)』の最新号の特集は「灼熱のおしゃれSNAP」。街ゆく女性たちのオシャレチェックといったところか。そしてさすがルーツは『女学生の友』、小説もちゃんと掲載されていた。「私たちのLOVE&SEX」……読み切り官能小説……。程度の差はあれ、もしかしたら今も昔も女性の興味というのは本質的には変わっていないのかもしれません。
(こや)
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