公衆電話が鳴るとき、誰が誰にかけてるの?
ちなみに向かって左の電話が着信する電話、ということですね。
先日、『週刊少年サンデー』の巻末作者コメント欄で、『金色のガッシュ!!』作者の雷句誠先生が、以前から気になっていたこととして、
「公衆電話のベルがときどき鳴るのを聞くけど、あれは誰が誰にかけてるの?」
といった疑問を書いていた。

実はコレ、私もずっと気になっていたこと。

ドラマや漫画だと、主人公はなぜか怯えながらも電話ボックスに入り、受話器をとってしまい、「キャア〜!」な展開が待っているが、実際には、まあ、点検などが無難な線だろうと思っていた。
でも、調べてみると、「たまたま番号を知った誰かのイタズラ電話」説などもあるらしい。
あれ? 意外と真相はわかってないもの?

NTT東日本に聞いてみると……、
「公衆電話が鳴るんですか? あまり聞いたことはないですが……」
と広報担当者。

「公衆電話」にも個別に番号があるというのは、けっこう知られていることだが、
「これはあくまで管理用で、普通の番号とは違う独自の番号がふられていますので、お客様には知られることのないものなんです」
とのことだった。

そして、詳しく調べたうえで、改めて以下のような回答をくれた。
「基本的に点検等で、会社から個別の公衆電話を鳴らすといったことはありません。
もし、鳴っている場合は、何らかの間違いでかかっているとしか考えられないですね」

07年3月末現在では、東日本にある公衆電話の台数は、17万2000台。現時点ではデジタルとアナログが混在している状況で、
「デジタル電話の場合、通常の着信はできないようになっていますが、アナログは通常の着信ができるんです。ですから、ベルが鳴るのを聞くのは、アナログ電話のほうでしょうね」
理論的にはありうることとはいえ、やはり「何らかの間違いでかかっている」以上のことはわからないって、ちょっとミステリー?

ちなみに、日本で初めて街中で話せる公衆電話が登場したのは、1900年9月、新橋駅と上野駅だった。続いて、街中に電話ボックスが登場したのは、同年10月の京橋で、最初は「自働電話」という名称だったが、1925年10月1日から「公衆電話」に名称を変更したのだという(『学研まんがでよくわかるシリーズ けいたい電話のひみつ』より)。

今は公衆電話そのものが減っており、その中でもデジタル化が進んできているので、将来的には、この「公衆電話が勝手に鳴る」という現象は完全になくなるかもしれません。

それでも鳴ったら、それこそ本当にミステリー。

(田幸和歌子)