バブル再来? リゲインのあのCMが復活
再びジャパニーズビジネスマンが、24時間戦う時代?
電車がストップし、駅から猛ダッシュで車の上を走り、海を渡り、ビルの壁をよじのぼって、ガラスも突き破り、会議に滑り込み……そんな“モーレツサラリーマン”たち。バックで流れているのは、おなじみのフレーズ「24時間戦えますか」だ。


これ、7月1日から放送されている、「リゲイン24」(6月18日発売)のCMである。
1988年に発売された同商品、当時のCM「24時間戦えますか」のコピーは、大ブームとなり、バブルの象徴のようなイメージにもなったけれど、その後、時代の変化とともに、CMイメージも「たまった疲れに」「疲れに効く理由(わけ)がある」など、ゆるやかなものに路線変更されていた。
それが、約20年経ったいま、再び「24時間戦えますか」を打ち出したのは、どういった理由なのだろうか。やっぱり好景気になってきたせい? といっても、庶民レベルでは、「好景気」の実感、全然ないんですけど……。
第一三共ヘルスケア株式会社に、CMコンセプトなどについて聞いた。

「今回のCMはタイトルが『リゲイン的出社風景』。
もしも、日本のサラリーマンがリゲインを飲んでパワフルになったら、きっとその出社風景も凄いに違いない。そんな思いから企画はスタートしました」
と言うのは、マーケティング部広告宣伝グループ担当者。
「24時間戦うビジネスパーソンを応援する、リゲイン24」というメッセージを、インパクトをもって伝えるため、「ありえない世界でパワフルなビジネスマンたちを、あえて意図的に誇張して描いた」と言う。

それにしても、疲れ気味の人にとっては、「またバブルの時代が?」と、少々不安を覚えるかもしれないほどのパワフルなCMだが、88年当時とイメージはどう違うのか。
「今の時代、24時間『仕事も生活も』頑張る時代となっており、就業時間内はキッチリと仕事をするという意味をこめて通勤シーンのCMを作りました。どこか懐かしいリゲインのイメージを再現し、再び市場を盛り上げます」
つまり、「仕事ばかりじゃない」「生活も充実」というのが、今回の大きな特徴のよう。
ちなみに、このCMに対する視聴者の反応は、
「非常に反響も高く、パワフルであり、非常に面白いといったご意見が数多く寄せられております」とのこと。

バブルが再びきているかは別として、ちょっと前まで世の中に氾濫していた「あんまり頑張りすぎないで」的な価値観は、少しずつ変わってきているのかもしれません。
(田幸和歌子)