スーパーで「一番美味しいサンマ」を選ぶには?
サンマがズラリと並ぶと、「秋本番」という感じがしますね!
秋のスーパーは、旬の食べ物だらけ。野菜や果物、魚など、店内は旬で溢れている。


中でも秋刀魚(サンマ)は、“秋”という漢字が入っているだけあって、秋の食べ物の代表格。サッカー日本代表の“闘莉王”が闘いまくるのと同じで、名が体を表している魚だ。

そんな秋刀魚、旬だからどれも美味しいとはいえ、より美味しそうなものを選びたくなるのが消費者心理。
みなさんは本当に美味しい秋刀魚を選んでますか?

秋刀魚に詳しい釧路水産試験場に話を聞いたところ、「脂が乗っているかどうか」「新鮮かどうか」の2点で、1尾で売られている秋刀魚の見分け方を教えてくれた。

・脂が乗っている秋刀魚は、体が太っている。
・新鮮な秋刀魚は、口の先が黄色くなっている。


他にも見分けるポイントはあるけれど、分かりやすいのがこの2点。つまり「太っていて口の先が黄色い」のが、一番美味しい秋刀魚の選び方だ。

確かに太っていれば脂が多いのは納得できる。でも、どうして新鮮な秋刀魚は口の先が黄色いんだろうか。
「秋刀魚って海で泳いでいるときは、口の先が黄色い魚なんですね。それが水揚げで死んで(秋刀魚はデリケートな魚で、水揚げのときに死んでしまう)から時間が経つにつれて、だんだん黄色の色素が抜けていくんです。
よって、口先の黄色が残っているほど、水揚げから時間が経っていないということになり、新鮮というわけです」(釧路水産試験場)
買って冷蔵庫に入れたあとも、黄色が点灯しているうちに食べるのが一番だ。
売り場には、最初から開いて売ってる秋刀魚もあるけれど、美味しさを追求するなら、もちろん開いてない魚の方がいい。切った断面が酸化して、鮮度が落ちやすいからだ。

それと秋刀魚の食べ方としてもうひとつ、美味しいのが「刺身」。脂の乗った刺身の見分け方ってのも、あるんだろうか。
「ちょっと確認しづらいかもしれませんが、皮目(銀色の部分)と身の間に、白くなっている部分があります。
これが脂なので、白い部分が多いほど、脂が乗っているといえます」(全国さんま漁業協会)

ちなみに、昔はスーパーになかった刺身。登場したのには、保存技術などの進歩があった。
築地市場の話によると、水揚げのとき死んでしまう秋刀魚は、流通している間に鮮度が落ちやすく、これまで刺身にできなかった。それが、発泡スチロールの進化や窒素氷の開発などで保存技術が向上したこと、さらに流通がスムーズになったことで、鮮度を保つことに成功。刺身として出すことができるようになったという。
そしてこの進歩は、スーパーの秋刀魚全体のレベルアップにもつながっている。


煮ても、焼いても、刺身でも美味しい旬の秋刀魚。今年は10月中旬〜下旬まで獲れる見込みとのこと。
秋刀魚が獲れるうちに、ぜひこの知識を周りの奥様に教えてあげてください。
同じスーパーを使う奥様にも、どうか惜しみなく。
(イチカワ)