
我が家の風呂場に突如として現れた、「フリーザさま」。質感も色味も、似ていると思いませんか?
ある日、風呂に入ったら、「フリーザさま」がいた。
「フリーザさま」とは、もちろん鳥山明の『ドラゴンボール』の、あの恐ろしいキャラクターである。
思わず驚いて、家族を呼んでしまったのだが、夫も小1の娘も「あっ! ホントにフリーザさまだ(笑)」と大喜び。
だが、コレ、なんのことはない、ボディーソープの上に、娘のオモチャの、半球形のフタがのっただけのこと。
突然現れた理由は、風呂掃除か何かのときに、偶然フタがのったのが、「白い筒の容器+紫の丸いフタ」で、フリーザさまカラーを作り出してしまったということのよう。
それにしても、白+紫なんて、別に変わった組み合わせでもないのに、あまり見ないのはなぜ……? と思ったら、あることに気がついた。
「白」の色調である。
紫はわりとフツウの色味だが、フリーザさまの「白」は、若干ブルーがかった冷たいノーブルな色。この白とツルンとした質感、丁寧なしゃべりが、彼の怖さを際立たせているようにも思える。
では、このノーブルな白は、どういった色なのか。アニメの色を忠実に再現しているイメージの、バンダイのカプセルトイのフィギュアを、色見本カード(日本色研事業株式会社の「新配色カード129a」)をもとに調べてみると、やはり純粋な「白」ではなく、「ペールブルー」という、少し青みがかった色だった(ちなみに、ジャンプコミックス版27巻の表紙に登場している彼は、「ライトグレイ」。一般にイメージするアニメでおなじみのフリーザさまよりずいぶん黒っぽい)。
さらに、このフリーザ様カラー「ペールブルー」が、日常でどんなところに使われているのかを、家の中で調べてみると……。
まず、身近なところで近い色だったのが、自宅の金魚のエアポンプ。
さらに、キッチンのあたりを調べてみると、ジャーもタイルの壁も、流しも、同じ白でもだいぶ違うベージュ寄りで、あたたかみのある色みであった。
やっぱり家庭的な場面に、フリーザさまは似合わないのか。
だが、一部の陶器(白をウリにしているメーカーのボウルなど)と、電球は、ツルンとした質感と色味ともに、かなりフリーザさまであった。
そして、意外なところに、フリーザさまにかなり似ている色を発見!
夫が持っていたガンダムの設定本『MS大全集2006』(メディアワークス)に掲載されている、ガンダムのカラー設定画の白は、ちゃんと「白」でなく、若干青みがかったペールブルー、「フリーザカラー」なのだった。
ちなみに、ガンダムというと、「トリコロールカラー」が基本であるように、イメージする白も、バンダイの完成品のガンダムフィギュアの白を見ても、もっと明るいのだが、『MS〜』を見る限り、アニメ本来のカラー設定としては、フリーザさまに近い色。これは、テレビ画面を通すときに、「純白だとかえって見づらい」などの、技術的理由も、あったのだろうか。そう考えてみると、デジタルが主流の最近のアニメは、「白」がよりピュアな白になっている気がする(始まったばかりの新ガンダムの色も、かなり「白」だったし)。
こうして見ると、当時のアニメの技術などのせいもあってうまれたものかもしれないが、フリーザさまカラーは、無機的な白、温度のない白。あたかかみのある「日常の白」からかけ離れ、浮き立つ、より凄みのある特別な「白」のようでした。
(田幸和歌子)
・エキサイト商品検索『機動戦士ガンダム MS大全集2006』
「フリーザさま」とは、もちろん鳥山明の『ドラゴンボール』の、あの恐ろしいキャラクターである。
思わず驚いて、家族を呼んでしまったのだが、夫も小1の娘も「あっ! ホントにフリーザさまだ(笑)」と大喜び。
だが、コレ、なんのことはない、ボディーソープの上に、娘のオモチャの、半球形のフタがのっただけのこと。
突然現れた理由は、風呂掃除か何かのときに、偶然フタがのったのが、「白い筒の容器+紫の丸いフタ」で、フリーザさまカラーを作り出してしまったということのよう。
それにしても、白+紫なんて、別に変わった組み合わせでもないのに、あまり見ないのはなぜ……? と思ったら、あることに気がついた。
「白」の色調である。
紫はわりとフツウの色味だが、フリーザさまの「白」は、若干ブルーがかった冷たいノーブルな色。この白とツルンとした質感、丁寧なしゃべりが、彼の怖さを際立たせているようにも思える。
では、このノーブルな白は、どういった色なのか。アニメの色を忠実に再現しているイメージの、バンダイのカプセルトイのフィギュアを、色見本カード(日本色研事業株式会社の「新配色カード129a」)をもとに調べてみると、やはり純粋な「白」ではなく、「ペールブルー」という、少し青みがかった色だった(ちなみに、ジャンプコミックス版27巻の表紙に登場している彼は、「ライトグレイ」。一般にイメージするアニメでおなじみのフリーザさまよりずいぶん黒っぽい)。
さらに、このフリーザ様カラー「ペールブルー」が、日常でどんなところに使われているのかを、家の中で調べてみると……。
まず、身近なところで近い色だったのが、自宅の金魚のエアポンプ。
ヤマハのキーボードもちょっと近いが、パールがかっているぶん、ちょっと違う。コンセントも近かったが、いずれもフリーザさまより黒みがかった「グレー」寄りである。
さらに、キッチンのあたりを調べてみると、ジャーもタイルの壁も、流しも、同じ白でもだいぶ違うベージュ寄りで、あたたかみのある色みであった。
やっぱり家庭的な場面に、フリーザさまは似合わないのか。
だが、一部の陶器(白をウリにしているメーカーのボウルなど)と、電球は、ツルンとした質感と色味ともに、かなりフリーザさまであった。
そして、意外なところに、フリーザさまにかなり似ている色を発見!
夫が持っていたガンダムの設定本『MS大全集2006』(メディアワークス)に掲載されている、ガンダムのカラー設定画の白は、ちゃんと「白」でなく、若干青みがかったペールブルー、「フリーザカラー」なのだった。
ちなみに、ガンダムというと、「トリコロールカラー」が基本であるように、イメージする白も、バンダイの完成品のガンダムフィギュアの白を見ても、もっと明るいのだが、『MS〜』を見る限り、アニメ本来のカラー設定としては、フリーザさまに近い色。これは、テレビ画面を通すときに、「純白だとかえって見づらい」などの、技術的理由も、あったのだろうか。そう考えてみると、デジタルが主流の最近のアニメは、「白」がよりピュアな白になっている気がする(始まったばかりの新ガンダムの色も、かなり「白」だったし)。
こうして見ると、当時のアニメの技術などのせいもあってうまれたものかもしれないが、フリーザさまカラーは、無機的な白、温度のない白。あたかかみのある「日常の白」からかけ離れ、浮き立つ、より凄みのある特別な「白」のようでした。
(田幸和歌子)
・エキサイト商品検索『機動戦士ガンダム MS大全集2006』
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