世界一巨大な迷路に挑戦してみたよ
この巨大な迷路へ、あなたも迷い込んでみませんか?
一昔前、日本で巨大迷路が流行ったが、それとは桁違いの「世界一巨大な迷路」と言われる場所があるのをご存知だろうか? それがフェズ・エル・バリ。モロッコの古都フェズの旧市街だ。


世界遺産にも登録されているこの旧市街。小さな路地が無数に伸び、「道に迷うと二度と同じところには戻れない」なんてことも言われる。某ガイドブックで地図を見てみると、確かに無数の小道がある(しかも数が多すぎて地図にも全て描かれていない)。だが一応何本かメインストリートと呼べそうな通りがあり、路地裏にそれることなく、その道だけを通っていけば、旧市街を一周することはそれほど難しくなさそうな気がするのだが……。

ということで実際に旧市街を歩き、その迷路に挑戦してみることに。いざ旧市街にくりだすと、そこは予想以上の人出。
現在でも十数万人の人が暮らしているだけあって、一見すると地元の人が多いが、やはり観光客の姿も多い。「こんにちは」「ありがとう」などと日本語でも次々に話しかけられる。

とりあえずガイドブックの地図に沿って、メインストリートを歩く。……しかし、あっさり迷った。私はそれほど方向音痴な方ではないと思うのだが、やはり世界最大の迷路は手ごわい。しかも迷うのにはちゃんといくつかの理由があった。


まずメインストリートであるはずの道が、途中いくつもの道にわかれているのだ。しかもそのどれもが異常に細く、全てが路地裏のよう。どれがメインストリートなのかわからなくなってしまうのだ。しかもどこも似たような雰囲気なので、同じところ何度も周っているような錯覚に陥る。

そして、もうひとつ。なんと地元の人に道を尋ねると、ニセの道を教えられることがとっても多いのである。
ある人は左を指差し、また別の人は右を指差す……。どれを信じていいのやら。まあ彼らも悪意をもってやっているわけではなく、ちょっとした遊び心だとはわかるのだが、迷って途方に暮れている身には結構ツライ。

そんなわけで、迷うこと2時間以上。とっぷり日が暮れたあと旧市街の入り口に戻ってきたときは心底ほっとした。さすが世界一の迷路はその規模も難しさも半端じゃない。
われこそは! と思う方、ぜひチャレンジしてみては?
(古屋江美子)