東京の地下鉄駅名「○丁目」がすべて奇数の謎
東京の地下鉄は「○丁目」が奇数。一方、大阪(写真/下)は、偶数がほとんどなんです。
・青山一丁目(半蔵門線・銀座線・都営大江戸線)
・銀座一丁目(有楽町線)
・六本木一丁目(南北線)
・志村三丁目(都営三田線)
・新宿三丁目(丸ノ内線・都営新宿線)
・本郷三丁目(丸ノ内線・都営大江戸線)
・四谷三丁目(丸ノ内線)
・西新宿五丁目(都営大江戸線)

東京メトロと都営の、東京の地下鉄で「○丁目」っていう名前の駅は上の8つ。
見ての通り、そのすべてが奇数。
さらに調べると、本郷三丁目駅は実は本郷二丁目にあることが分かった。
偶然にしてはできすぎている。意図的なんじゃないだろうか。中国の陰陽道を絡めた、都市伝説的な理由があったりするんじゃないだろうか。あれこれ考えながら、都内にある2つの事業者に聞いた。

「いえ、意図的なものではありません」(東京メトロ)
「偶然だと思います」(都営地下鉄)
まああっさりと。
本郷三丁目駅以外は住所がそのまま駅名になっているうえ、駅を作るときに奇数の住所が選ばれたっていう記録はないらしい。そもそも本郷三丁目駅だって、作られた当時の住所は、駅名の通り本郷三丁目だったという。住所変更があって、所在地が二丁目に変わったのだそうだ。
自分で勝手に期待を膨らませといてなんだけど、なんとも夢がない結果だった。

そしたら、他にもある住所以外の駅名ってどうやって決められているんだろう。
「さまざまな要素から総合的に判断して決めています。
例えば地元の方にとって馴染み深い昔の町名や、近くに存在する著名な建造物などが駅名になることもあります。さらに語呂の良さなどを考慮に入れることもあります」(東京メトロ)
「例えば有名な建造物の名前であったり、駅舎がある2つの地名を組み合わせるなど、駅名のつけ方はさまざまです。乗換駅であれば、もとからあった駅の名前を使うことも多いですし」(都営地下鉄)
こうしたたくさんの要素に加えて、住民などの意見を参考にして駅名は決まるんだとか。その結果、住所とは違う駅名も生まれてくるのだ。

ちなみに大阪はというと、大阪市営地下鉄で「丁目」がつく駅名は6つあった。

・蒲生四丁目駅(長堀鶴見緑地線・今里筋線)※所在地は今福西三丁目
・瑞光《ずいこう》四丁目駅(今里筋線)
・谷町四丁目駅(谷町線・中央線)
・谷町六丁目駅(谷町線・長堀鶴見緑地線)
・天神橋筋六丁目駅(谷町線・堺筋線)※所在地は北区浪花町
・谷町九丁目駅(谷町線・千日前線)※所在地は生玉前町一丁目

東が奇数で、西はほぼ偶数。
偶然なのは分かっているけど、ほのかに期待して大阪市交通局に聞いた。
「意図的ではないと思います。名前の付け方は、住所以外にも有名な施設名、交差点名、バス停などからつけることがあります。例えば蒲生四丁目駅は、駅の上にある交差点名がもとになっているようです。さまざまな要素をもとに、住民の方の意見を取り入れつつ、区役所とも協議して決めています」
そうっすよね、偶然ですよ、そりゃ。

東西を問わず、あらゆる角度から決められている駅名。
そこに決まった法則はなかった。
とはいえこれほどの一致を、このくらいの情報で、偶然として片付けるのは、ちょっと乱暴かもしれない。
中国の陰陽道では、奇数を陽、偶数を陰として、陰と陽のバランスが取れた状態を良しとしているわけだし。
(イチカワ)