鍋、何で締めましょうか
まだまだ寒い日が続きます。寒いとどうしても食べたくなってしまう鍋。今度はどんな締めにしますか?
冷え込みの厳しい今の季節、美味しいのはやっぱりお鍋。
鍋といえば最初の一口から最後の残り汁まで美味しいけれど、この残り汁を使う“最後の締め”が一番美味しい。


そこで鍋の締めは何が好きかと、まずは周囲にアンケートを取ってみたところ、うどんやラーメンなどの麺類を押さえて“ご飯”の回答がダントツ1位。だから「当然、鍋はご飯で締めます」と結論づけるのは簡単だが、実は案外そうもいかないようだ。

まずお話を伺ったのは、ちゃんこ鍋の専門店。聞いてみれば、締めのナンバー1は、やはりご飯。「ただダイエット中の方はご飯を避けるみたいですね」と、お店の人。
鍋自体はローカロリーなのだが、肉や練り物の脂が溜まった残り汁は意外と高カロリー。
そんな汁の中にご飯をいれると汁のカロリーを丸ごと摂取することになる。そのためメタボリックの言葉が流行り始めて以降、ご飯よりも麺類を頼む人が増えてきたという。
それに春雨ヌードルの影響もあってか、女性には春雨やビーフンなども人気が高く、締めは必ずしもご飯とは限らない。

さらに10数年前にブーム到来後、お鍋の定番となったモツ鍋。そんなモツ鍋の人気締めアイテムは、ご飯ではなく“ちゃんぽんめん”。
これは博多の人気店から火がついたやり方で、お話を伺ったお店では10人中8、9人がちゃんぽんを選択するとか。

それに秋田名物のきりたんぽ鍋も具の中にお米が入っているせいかご飯は避けられがち。同じく秋田名物である稲庭うどんで締める場合が多い。

そして最近流行の、カレー鍋やイタリアン鍋などの変わり種鍋を取り扱うお店では「ご飯よりむしろパスタがオススメです」と、洋鍋を提唱。
具が少なくなった鍋にパスタを投入し、スープパスタに。さらに余った汁をパンに浸して締めるなど、最近は鍋そのものよりも締めを楽しむ人も増えているそうだ。

では、どこで締めのご飯が多く食べられているかといえば、それは“家鍋”。

お店ではいろいろな締めが用意されているが、実際に家で鍋をする際は「支度が簡単だし、何より汁が残らないから」とご飯を選択する人が多いそう。
ご飯も麺類もパンでさえも、様々な締め方をおおらかに受け入れてくれるのは、懐の深い鍋だからこそ。

冬が終わってしまう前に、いろいろなパターンの鍋の“締め”を楽しんでみては。
(のなかなおみ)