
テストに臨んだのは、世界タイトル3階級制覇を成し遂げたライカ、WBCストロー級初代王者の菊地奈々子などそうそうたるメンバー。彼女たちを含むB級14名、C級6名の計20名が記念すべき第1回プロテストの合格者に。44歳の元日本チャンピオン・猪崎かずみも無事に合格を果たし、男女を通じて最年長の現役選手となった。
「初のプロテストなのに世界チャンピオン?」という疑問もあるだろうが、実は以前から日本女子ボクシング協会という団体によってプロテストや試合は行われていたのだ。逆に言えばその実績が後押しする形で、「サッカーやゴルフのように女子が活躍する日は近い」(JBC大橋会長)という判断に繋がったのだろう。
そしてついに! 女子ボクシングの第1回興行が5月9日、後楽園ホールで行われることが正式に発表された。JBCプロテスト合格者からはライカ、元日本王者の藤本梨恵、アマチュアの全日本大会5連覇の実績を持つ四ヶ所麻美など8名が出場する。
「WBAのベルトを取るための“はじめの一歩”。最高の試合をして女子ボクシングを盛り上げていきたい」と語ったライカ。対戦相手には海外の有力選手が予定されているというから楽しみだ。オリンピックの正式種目化を待ち続けた後、プロ転向を決めた四ヶ所は「世界チャンピオンのベルトを巻く」という目標に向けてスタートを切ることになる。
また、今回は残念ながら出場しないものの、プロテスト後に「絶対に負けないボクサーになる」と宣言した菊地奈々子。
新たに開かれた“プロ”の世界に飛び込む選手たちの想いは、みな熱い。それぞれが胸に抱く未来は、女子プロボクシングの歴史にどんな軌跡を描くのだろう。
第1回の女子プロボクシング、この歴史的な瞬間に立ち会っても損はないはずだ。
(塩澤真樹/C-side)