
キャビアとはチョウザメの卵を塩漬けにしたもの。
ところが先日訪れたノルウェーのマーケットで、数百円で売られているキャビアの瓶を発見した。物価の高いノルウェーでは破格である。だがよく見ると、瓶の中身は実に色とりどり。黒色もあるが、なかにはオレンジや白色のものまで。これって、本当にキャビアなの?
実はノルウェーやスウェーデンなどスカンジナビアの国々では、魚の卵であればなんでも「キャビア」と呼ぶのだそう。チョウザメの卵のように見えたのは、実はランプフィッシュと呼ばれる魚の卵で、キャビア代用品としても広く知られているもの。チョウザメの卵に比べると粒は小さいが、プチプチ感はかなりいい感じだ。瓶だけ見たら、チョウザメの卵と勘違いする人がいてもおかしくないかも。ちなみにオレンジはサーモン、白色はタラの一種なのだとか。
現地ではサワークリームやネギと一緒にクラッカーなどに乗せて食べるのが定番だが、白いご飯に乗せても美味しそうだし、そのまま食べて酒のつまみにするのも良さそう。しかもこの価格ならかなり大胆に食べられる。
また瓶詰のキャビアのほかに、チューブ入りのキャビアペーストもある。こちらはパンやジャガイモに塗って食べたり、パスタ料理に使ったりする。ホテルの朝食バイキングでもジャムなどに並んで置かれていた。中身はタラコが多く、スーパーでも普通に売られているメジャーアイテム。やはりこちらも価格は500円以内とお手頃だ。
正体を知ってしまえば、なーんだという感もあるが、やはりキャビアという響きには憧れがある。味もよいし、私もノルウェー滞在中に何度となくその味を堪能した。みなさんもスカンジナビアでキャビア三昧、いかがですか?
(古屋江美子)