ヨーロッパ最大の「リスボン水族館」に行ってきたよ
(上)壁面は「アズレージョ」と呼ばれる装飾タイルを5万5千枚使用。<br>(中)このまったり感がなんとも心地良い。<br>(下)迫力の水槽は一見の価値あり
最近、水族館がおもしろい。大人になって改めて行くと、子どものころとは違う新たな楽しみを発見できる。


日本はもちろん世界中で人気の水族館だが、つい先日、ポルトガルの首都リスボンにある「リスボン水族館」に行ってきた。実はここ、ヨーロッパ最大の海洋水族館なのだ。しかもデザインを手がけたのは大阪にある「海遊館」と同じピーター・シャーメイフ氏。そう聞くと、なんだか妙な親近感もわいてくる。

水族館があるのは、テージョ川沿いに広がる国際公園のなか。1998年に行われたリスボン万博の跡地だ。水族館は今年中に入館者1,000万人を超える予定の人気スポットで、入館料は大人11ユーロ(子ども5.5ユーロ)とまずまずお手頃。

一見すると水族館には見えないモダンな佇まいだが、中に入ると大迫力の水槽が迎えてくれる。およそ5,000立方メートル、深さ7メートルの巨大な水槽には100種類もの魚が共存。水槽は建物の中心に配置され、順路はそれをグルリと囲むようにつくられているので、さまざまな角度から水槽を眺められるのも嬉しい。

また館内に200もあるスペースには、大西洋・太平洋・インド洋・南極の海洋動物たち、およそ1万5,000匹が集められている。じっくり見れば半日くらい軽くすぎてしまう規模だ。
ラッコやペンギンなど定番の動物もかわいらしいが、ユニークなのは食品の展示。海で採れたものを使った世界各国の食品を集めたもので、日本の食品からはダシやお吸い物が並べられている。

基本的には日本の水族館と同じようなスタイルだが、一番違うのはのんびりした空気かも。水槽脇のベンチでまったり寛いだり、床に座って水槽に見入ったりしている大人も多い。日本なら床に座りこむなんて! と眉をひそめる人もいるかもしれないが、ここではそんな雰囲気はまったくない。

世界遺産や歴史的な地区など見どころが多いポルトガルだが、街全体に流れるスローな空気も大きな魅力。水族館の周辺には芝生の広場やケーブルカー、ショッピングセンターなどもあり、週末ともなれば家族やカップルで賑わう憩いの場だ。そんな地元のムードを堪能しつつ、水族館で癒される休日も、ポルトガルらしくて悪くない。
(古屋江美子)

リスボン水族館HP*英語サイト
ポルトガル政府観光局HP
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