韓国電池大手LGエネルギーソリューション(LGES)は7月30日、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の供給で43億ドル(約6500億円)規模の契約を結んだと発表した。関係者によると、供給先は米テスラで、同社のエネルギー貯蔵システム(ESS)向けにLGESのミシガン工場で生産されるという。

ロイター通信が伝えた。

今回の契約は、テスラが中国依存を減らす取り組みの一環とみられる。バイブハブ・タネジャ最高財務責任者(CFO)は4月、テスラはLFP電池の大部分を中国から調達しているため、米国の関税が同社のエネルギー事業に影響を与えていると指摘。「中国以外からの調達を増やそうと努めているが、時間がかかりそうだ」と述べていた。

LFP電池技術は長く中国企業がリードしてきた。現在のところ、テスラ最大の電池サプライヤーは寧徳時代(CATL)で、とくにLFP電池では圧倒的なシェアを持つ。今回の契約は、テスラがエネルギー貯蔵用途で初めてCATL以外の企業から電池を採用した事例となる。

LGESは米国でLFP電池を量産できる数少ない企業の1つだ。同社は以前、世界的な電気自動車(EV)向け電池需要の伸び悩みに対応するため、蓄電池の販売を拡大する方針を示していた。背景には世界的な電力需要の急増や人工知能(AI)データセンター建設の加速がある。

テスラのイーロン・マスクCEOは7月28日、韓国サムスン電子と半導体の供給で総額165億ドル(約2兆4900億円)規模の契約を結んだと明らかにした。サムスン電子はテキサス工場でテスラのAI半導体「AI6」を生産する予定だという。

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*1ドル=151円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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