世界の産業用ロボット導入減 中国だけがプラス成長、シェア過半に

国際ロボット連盟(IFR)の統計(暫定値)によると、2024年の世界の産業用ロボット新規導入台数は前年同期比3%減の約52万3000台だった。アジアは2%減、欧州は6%減、米国は9%減と三大市場がそろって落ち込んだ。

産業別では、電子と自動車が依然として最多だったが、自動車業界の需要は大幅に減少した。一方、金属加工や機械、プラスチック、化学、食品業界の需要は引き続き増加した。

アジアの中でも、日本の新規導入台数が7%減の4万3000台だったのとは対照的に、中国は5%増の約29万台と唯一成長を遂げ、世界シェアは54%に上昇した。業界別では、一般工業の新規導入が過去5年間で38%から53%に上昇する一方で、電子業界は45%から28%に低下した。

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中国は世界最大のロボット生産国でもあり、2024年の産業用ロボット生産台数は55万6000台と、15年と比べ約17倍に拡大。サービスロボットの生産台数も前年比で34.3%増加し、1051万9000台を突破した。また、ロボット関連の特許出願数は世界全体の約3分の2を占め、イノベーション力の高さを示した。

従業員1万人あたりの産業用ロボット稼働台数「ロボット密度」は、韓国が1012台で1位、シンガポールが770台で2位。中国が470台で3位となり、初めて日本とドイツを抜いた。

IFRの伊藤孝幸会長は、地政学的リスクや関税摩擦はあるものの、アジア市場は依然として有望視されていると指摘。2025年1~3月期の業界受注は一桁台の成長を記録し、電子産業向けで緩やかな回復がみられたと説明した。その上で、中国が引き続き世界のロボット需要をリードする見通しだと協調した。

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(36Kr Japan編集部)

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