<大王製紙エリエールレディスオープン 最終日◇18日◇エリエールゴルフクラブ松山・愛媛県(6525ヤード・パー72)>
トータル13アンダーのトップタイからスタートした勝みなみが、7バーディ・ノーボギーの「65」をマーク。トータル20アンダーまで伸ばし、アマチュア時代の2014年4月「KKTバンテリンレディス」以来となるツアー優勝で、プロ転向後のツアー初勝利をつかみ取った。

【写真】誇らしげに優勝カップを掲げる勝みなみ
最終18番のウイニングパット。70cmのパーパットを決めると、キャップのツバを触って、周囲にペコリと挨拶。派手なガッツポーズも、大号泣のシーンもない、爽やかな優勝だった。
「私も泣くと思っていたんですけど…泣きたかった(笑)。でも楽しいラウンドだったので、最後は笑顔で終わりたかった」
その後、グリーン脇で待っていた新垣比菜小祝さくらといった同級生らのもとに駆け付けると仲間からもみくちゃに。「おめでとう」、「ありがとう」。
そんなやり取りの間も、もちろん一切の涙はなかった。「みんなが祝ってくれた時が『優勝したんだな』という喜びのピークでした」という最高の時間を味わった。
3日目を終えて4人がトップに並ぶ大混戦。伸ばし合い必至という状況のなか、前日の「64」に続きビッグスコアをマークした。3番では「ギリギリ止まってくれた」と池ポチャを回避。さらに5番でもバンカーで目玉になるピンチを迎えたが、ここもパーセーブするなど、ノーボギー行進。
「このバーディで優勝を確信しました」と話した17番パー5は、7Iで放ったセカンドがラフに入ったものの、アプローチで1.5mにつけて、この日最後のバーディを奪った。
今季は「リゾートトラスト レディス」、「ヨネックスレディス」で連続2位フィニッシュするなど、“黄金世代”を代表する一人としてその実力を序盤から発揮した。だが夏場には、これまでには味わったことのない“不振”にも襲われた。
「ニトリレディス」で予選落ちを喫すると、その後、1つの棄権を含め5戦連続で最終日にすらたどり着けない日々を送った。「ここまでゴルフで苦しんだことはなかった」と話したこの期間は、「試合に出たくない」という毎日。この時期には、母やキャディらと相談を重ね、さらに自ら不調の原因を考え抜いて、優勝という形で実らせた。

「(新垣)比菜ちゃんが優勝した時(サイバーエージェントレディス)に号泣したから、自分の時も泣くと思ってたんですけど」
思い出すのは同級生の初優勝を祝うため、グリーン脇で待ち構えた4月のこと。そう話す時の表情も笑顔でいっぱいだった。悲願の“初優勝”を遂げた20歳の次なる目標は「来年もシードを獲りたい」。4年前に世間を賑わせた世代を代表する選手は、着実にその歩みを進めている。(文・間宮輝憲)


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