これが成田美寿々のパンチショットだ!【連続写真】
低い弾道でラインを出していくスリークォーターショット、すなわちパンチショットといえば成田美寿々の代名詞。川岸史果も「成田さんはパンチショットの名手。とてもいい参考になっています」という、まさに自他ともに認める武器だ。
2年前の「ULインターナショナルクラウン」で自分のゴルフスタイルがまったく通用しなかったことから、一時は高弾道の球を取得しようとして悩んだ時期もあったというが、本来の姿であるコントロールショットを磨いたほうがいいという考えに至り復活。昨年8月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で優勝を挙げた。
風が強い日はもちろん、ラインを出したいときなど活用の幅が大きいパンチショット。
「高い球を打とうとしていたときの成田さんは、目線が上がり、体が上を向くフォロースルーになっていました。そもそもトップが低く、インパクト後に大きなフォローを出さず低くクラブを返さずに出していくスリークウォーターショットとハイボールでは真逆の目線、真逆のクラブの入れ方、真逆の体の動きですから。ムリしてボールを上げようとヘソが上にのけぞるようなバランスが多くなっていました。つまり大振りです。上げようとするあまりバラバラになって、ヘッドスピードはあるのに力のない打球となっていました」(辻村氏)
「あのまま続けていたら大変だったと思う」と辻村氏が語るほどの不振となっていたが、成田は自分の持ち味で強さを取り戻した。
「勘違いしないでほしいです」と辻村氏がいうのは『パンチショットだと飛距離が落ちる』という認識。「振り幅が小さいから飛ばないと思っているかもしれませんが、エネルギーを凝縮しているから、特にアマチュアの方は大振りするより飛ぶ可能性は十分にあります。だから、ラインを出したいとき、風が強いとき以外でもどんどん試してほしい技術です」。
そんな成田のパンチショットで、特に注目してほしいのがヘソだという。「ヘソがピンと正対した時にヘッドがピタっと決まるフィニッシュがお手本です。そのためには“パンチ”ショットだからといって、クラブをボールにぶつけていく、いわゆる手打ちになってはダメです。体のバランスがバラバラになります。ヘッドの重量を利用してクラブを下ろしてきてください。その上でヘソの前にクラブがある感覚を持って大振りしなければ、いいショットが打てるはずです」。
「成田さんだけでなく、様々な理由でプロでも大振りになることがあるということ。パンチショットは風の強い日にも有効なことはもちろん、スイングの矯正としても有効です。“パンチ”の名前にだまされず、力まずに振れば大きな武器になると思いますよ」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。
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