3週前に行われた「全米女子オープン」で笹生優花にプレーオフで敗れ、悲願のメジャー制覇を逃した畑岡奈紗だが、実はメジャーの舞台でプレーオフで敗れたのはこれで2度目。最初は今週挑む「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」の2018年大会だった。

ナイスポージングのシブコ&ナサ【写真】
これまででも一番といえるくらいいい流れで入った大会だった。直前の7試合でトップ10が5回、うち1回は海外女子メジャーの「全米女子オープン」。さらに前週の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」では2位に6打差をつけて米ツアー初優勝を挙げたばかりだった。
大舞台でも勢いそのままに格好のスタートを切る。初日は6バーディ・3ボギーの「69」で首位と3打差の3アンダー・10位タイにつけた。それでも「一日の目標は最低限達成できてはいるけど、今日の調子だったらもう少し伸ばせたと思うので、少し悔しさはあります」と決して満足はしなかった。

2日目は「ちょっとティショットがブレてしまったのと、思うようなパッティングができなくて」と我慢のゴルフ。池ポチャもあったが、4バーディ・4ボギーのパープレーにまとめてトータル3アンダー、首位とは3打差の8位タイで決勝ラウンドへ。「ビッグトーナメントで予選を通るとすごく大きい。緊張感は少しあります。明日からもう少し出てくると思う」。この時すでに当たり前となっていた米ツアーでの予選通過も、メジャーという舞台ではひと味違う様子だった。

絶対に伸ばしたいムービングデーだったが、暑さと風で集中力を奪われた。3バーディ・4ボギーの「73」とスコアを1つ落とし、トップとは9打差のトータル2アンダー・23位タイに後退。暗雲が立ち込めた。「アメリカでは一番暑かった」という気温も大敵となった。頭に氷を置いたり、日傘をさすなど対策はしたものの、「練習の時から汗が止まらない感じで、集中するのも大変だった」と克服することはできず。「緊張感が足りない。
暑さでボーっとしていることもあった。いけないことだけれど、どうしようもなかった。(最終日は)60台で終わりたい」と話すにとどまった。
7月に入った最終日は前日のうっ憤を晴らすようなゴルフを見せた。「自分でもビックリする内容です。1日2イーグルもはじめてですし、日本人ギャラリーも多くて、応援してくれてうれしかったです」と2イーグル・5バーディ・1ボギーと「64」をマークして一気に9打差を追いつくと、最終組よりも1時間前にホールアウトしたため、クラブハウスリーダーとして戦況を見守った。

「待っているあいだはあんまり考えないようにはしていたんですけど、最終組のホール数が少なくなるにつれて、もしかしたらプレーオフになる可能性もあるなと思いました」。予想通りユ・ソヨン、パク・ソンヒョン(ともに韓国)らメジャー覇者2人とのプレーオフに。1ホール目の18番で2人がバーディを奪ったのに対し、畑岡はパー。ここで敗退が決まった。
優勝は逃したが、晴れやかな表情だった。「今日のラウンドは、最終日ですごく自分らしいプレーが出たと思います。
あと一歩というところまで来ていたんですけど、それが4日間トータルで考えたら、それがこの試合はできなかったので、4日間通して、強い気持ちを持って戦うことかなと思います」とメンタル面に答えを求めた。
あれから3年、喜びも悔しさもさらにかみしめた畑岡。様々な経験を糧に、今回こそビッグタイトルをつかみたい。


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